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オスカー女優が「ホロコーストは人種問題じゃない」で大炎上

「スタートレック」「天使にラブ・ソングを…」などでも活躍(AFP=時事)

「スタートレック」「天使にラブ・ソングを…」などでも活躍(AFP=時事)

 日本では菅直人・元首相が橋下徹氏をヒトラーになぞらえた発言が物議をかもし、ある保守派の学者は「フランスやドイツでは処罰の対象になる発言」「ホロコーストの被害者を冒涜する」などと批判したようだが、欧米の言論は実はもっと過激だ。もちろん批判の対象にはなるものの、政治家や識者、セレブのなかにはホロコーストに関して思い切った持説を展開する者もいる。折しもアメリカでは、大物女優の過激発言が世間を騒がせている。

 発言の主は『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー賞(オスカー)助演女優賞を受賞、エミー賞、グラミー賞、トニー賞の4大映画賞すべてを受賞した大スターのウーピー・ゴールドバーグ(67)。2007年に女優を引退し、その後はテレビのエンターテイナーや著作に専念。現在はABCの昼のトークショー「The View」の共同司会者を務めている。

 問題発言は1月31日の同番組で飛び出した。テネシー州マクミン郡の教育委員会がホロコースト関連本の表現を問題視して副読本から除外したという話題のトークで、ゴールドバーグはこう言ってのけたのだ。

「正直言って、ホロコーストなんて人種問題じゃないわ。あれは人種(の問題)じゃなくて、人間の人間に対する非人道的問題よ」

 驚いた他の出演者が、「いや、ホロコーストは白人至上主義者たちがユダヤ人を差別・虐待したものだ」と反論しても彼女はひるまず、「(ナチスとユダヤという)二つの白人グループの話でしょ。黒人とか白人、ユダヤ人とかの(人種の)問題ではなく、ホロコーストがなぜ起きたのかを話しましょうよ」と開き直ったのだ。

 当然、放送も終わらぬうちにユダヤ系団体などから猛烈な抗議電話やメールが殺到。ツイッターでは「人種主義はナチス哲学の中核だ。600万人ものユダヤ人が虐殺されたのはナチスの優生思想によるものだ」「ゴールドバーグは人種主義を勉強し直せ」といった非難の声が拡散した。

 ちなみに「ゴールドバーグ」というのはドイツ系ユダヤ人の名前だが本名ではない。芸能界入りするとき母親が本名のジョンソンでは売れそうにないからと、ゴールドバーグに変えるよう助言してつけたという。その彼女がユダヤ系から袋叩きにあうのは皮肉だが、ABCは同日夜のトークショーで彼女に釈明の場を与えた。一応そこでは謝罪したものの、「私は黒人だから、人種問題では肌の色による差別など、目に見えることに注目する」とさらに持論を述べて、完全に発言を取り下げたようには見えなかった。

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