生活習慣病ゆえにセルフケアが重要
新型コロナ禍による「ステイホーム」政策の余波で、糖尿病患者や糖尿病予備群がジワリと増えている。家にこもるばかりで運動量が不足し、気分転換にはおやつをバクバク。そうして肥満になった人は、標準体型の人と比べて糖尿病疾病率が5倍にまで跳ね上がる。
糖尿病とは、慢性的に血糖値が高くなり、さまざまな障害に至る病気だ。ひとたび発症したら体は衰弱していき、完治は難しい。すい臓の不具合、遺伝子異常によるものを除き、多くは「2型糖尿病」と呼ばれる種類に分類される。2型糖尿病は、日頃の悪い生活習慣が積み重なって発症するもの。逆にいえば、努力次第で自力改善の道も開ける。今こそ、健康のリスクヘッジを!
慢性的血糖値が高くなるメカニズム
ホルモンの一種「インスリン」の分泌量がカギとなり、血糖値が変わる。
ごはん、パン、麺、芋、砂糖などが胃腸で分解され、ブドウ糖となり血液へ。血糖値が上がると分泌されるインスリンは、そのブドウ糖を全身へ運びエネルギーとして利用できるようにする役目を果たす。
そして、すい臓β細胞から分泌されるインスリンが、ブドウ糖を筋肉、肝臓、脂肪細胞へと運ぶ。遺伝要因や環境要因でインスリンが不足すると、ブドウ糖は行き場をなくし高血糖状態になる。
食事以外で血糖値を上げる危険要因もある。ストレスを抱える人や肥満の人は刺激された交感神経から、また妊娠中の人は胎盤から、インスリンの働きを弱めるホルモンが分泌される。運動不足や睡眠不足、食事時間の乱れは、ブドウ糖を効率よくエネルギーに変えるサイクルの安定を崩す。