糖尿病の進行抑制と合併症予防に運動を
高血糖状態が続くと、体内で産出される終末糖化産物によって臓器障害が起こる。とくに神経や細かい血管が集中している部分に影響が及びやすく、網膜症による失明や腎不全による人工透析生活に至る確率が一気に高まるのだ。「血糖値が高い」と医師の宣告を受け糖尿病予備群となったら、まずは運動する時間を確保することからはじめよう。
「大事なのは、中2日以上あけずに長く続けること。一定の時間、一定のスピードでできる運動がいい」
そう指導するのは、かたやま内科クリニック院長の片山隆司氏。有酸素運動はウォーキングがベストだが、外出が難しいなら階段の上り下りや最後に紹介する「座ったままウォーク」もオススメだ。
脂肪燃焼&糖代謝向上の3本柱
脂肪燃焼&糖代謝向上には「ストレッチ」「レジスタンス運動」「有酸素運動」の3本柱が重要だ。
まず、運動前のストレッチは筋肉をほぐしてケガを防止し、血行を促進。運動後は、翌日に疲れを引きずらない。運動しない日も含め毎日行ないたい。
そして、スクワット、腹筋など一定の抵抗負荷をかけて筋力をアップさせるのがレジスタンス運動。筋力がつくと基礎代謝が増え、長時間の有酸素運動も苦にならない。
また、ウォーキングをはじめ有酸素運動は、体に強い負担をかけないまま、バランスよく全身の筋肉を使ってブドウ糖や中性脂肪を消費できる。