田原:藤井さんが考えているほど、バイデンは自信を持っていないと思う。これが一番の問題。今はウクライナ問題が起きていて、プーチンは10万の軍でウクライナに侵攻しようとしているが、天然ガスをロシアに握られているヨーロッパは足並みがそろわず、バイデンも国内問題で精いっぱいで、自信を持って対応できていない。これでは台湾問題にまで手が回らないでしょう。
藤井:おっしゃる通りです。ウクライナ有事が起きると、アメリカも無視できなくなり、ますます台湾に対して中途半端な対応になっていく可能性が高い。少なくとも習近平はそう読むでしょう。
(第2回につづく)
【プロフィール】
田原総一朗(たはら・そういちろう)/ジャーナリスト。1934年滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業。岩波映画製作所、テレビ東京を経て1977年フリーに。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。近著に『自民党政権はいつまで続くのか』など。
藤井聡(ふじい・さとし)/元内閣官房参与・京都大学大学院教授。1968年奈良県生まれ。京都大学大学院教授(公共政策論、都市社会工学)。京都大学工学部卒、同大学院工学研究科修士課程修了後、スウェーデン・イエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授を経て、現職。第二次安倍内閣で内閣官房参与。近著に『日本を喰う中国』など。
※週刊ポスト2022年2月18・25日号