芸能

清原果耶『ファイトソング』で鬼のコスプレをしても作業着姿でも失わない「らしさ」

その演技力は、ベテラン俳優、女優たちから太鼓判を押されている

その演技力は、ベテラン俳優、女優たちから太鼓判を押されている

 SNSでも飛び交うドラマ評、視聴者の視点は多岐にわたる。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

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 いよいよ終盤にさしかかった今期のドラマ。何とか盛り上げて着地したいと制作陣は願っているはず。主役の評判について言えば、やはりダントツで話題を集めているのが『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系月曜午後9時)の菅田将暉さんでしょう。久能整という人物そのものに成り切りドラマ世界を成り立たせ、がっちりと固定ファンを掴んでいます。

 一方、これまで安定感バツグンで盤石と見られてきた黒木華さんはどうか?  特に今年2022年は黒木さんがドラマデビューして10周年と記念の年。『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系木曜午後10時)では、大手出版社が運営するニュースサイト編集長・瀬古凛々子という主役を演じている黒木さんですが、どこか物足りない。もっと演技派のはずなのに、インパクトが足りないように感じてしまうのはなぜなのか。

 凛々子という人物を、敢えて棒読みセリフで「何を考えているかわからない」謎のある人として造形していますが、一方では他人に判断できないことを揺るぎなく断言したり、強い正義感でぐいぐいと取材を進めていく。いったいどのような哲学で生きているのか、凛々子という人の設定の狙いや魅力が少々わかりにくい。

 撮影前のインタビューにおいて、「本読みで黒木さんご自身が何かつかんだことはありましたか?」と問われた黒木さんは、正直に「まだわからないことが多いですね」(「オリコンニュース」2021.12.16)と答えていました。ドラマがスタートして中盤を過ぎても、未だに「わからない」状態が継続している気配。

 追い打ちをかけるのが、お仕事ドラマにしては描かれた仕事の内容が薄いこと。ニュースサイト編集部が物語の舞台となっていますが、PV稼ぎにSNS炎上、フェィクニュースと今風の話題を解説するようでいて実はエピソードがチープで使い古された感あり。「もう少し現場を取材してくれていたら、リアリティが出たのに」とマスコミ業界からも残念がる声が届く。

 では、若手女優で「今最も注目度が高い1人」と言えるあの人はどうでしょう? NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』でヒロインを演じた直後、民放ドラマで初主演している清原果耶さん。

 その清原さんが主役・花枝を演じる『ファイトソング』(TBS系 火曜午後10時)は……児童養護施設で育った花枝は突然の事故に遭い、空手選手になる夢を諦めハウスクリーニングを仕事にしている。さらに発覚した耳の病。もしも手術を受けたら耳が聞こえなくなるかもしれない危機に直面した時に、偶然王子様のような一発屋ミュージシャン芦田春樹(間宮祥太朗)と出会い2人は恋のレッスンを開始する…。

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