芸能

菅田将暉の「異物感」をさらに強める“若者”役での2夜連続出演

菅田将暉の両親が語った家庭の秘密

菅田将暉に「異物感」あり

 今もっともオファーの絶えない俳優の1人といえば、菅田将暉(29才)だ。今期のドラマでは、月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)と2夜連続で出演している。しかも演じるのは菅田よりも10才近く若い役。それによりどんな効果を生んでいるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 20日に放送された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第7話の最後に菅田将暉さん演じる源義経が登場。わずか1分程度の出演だったにもかかわらず、ネット上は盛り上がりました。ドラマ開始から2か月弱での本格参戦となり、ここから約3か月にわたる準主役級の活躍が予定されています。

 菅田さんは現在、月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』にも出演中。膨大な知識と独自の価値観を持ち、持論をしゃべり続けることで事件解決に導く大学生・久能整を演じています。

 源義経も現在、劇中では推定21歳を演じている最中であり、驚かされるのは29歳の菅田さんが20歳前後の2役を同時期に演じていること。しかも時代背景やキャラクターが大きく異なる上に、日曜・月曜の2夜連続放送となるなど、難しい挑戦であることは間違いありません。

なぜ菅田さんは20歳前後の若き登場人物を立て続けに演じているのでしょうか。さらに、両作を同時期に演じることで、どんな相乗効果が得られるのでしょうか。

現在の若手主役級はアラサーがズラリ

 本来、作り手としては、「20歳前後の役はそれに近い25歳くらいまでの俳優に演じてもらう」のが理想です。たとえば、菅田さんといえども、連ドラの主人公として1作まるごと大学生を演じたら違和感を抱かれかねません。

 しかし、「『ミステリと言う勿れ』や『鎌倉殿の13人』ほどの大作で主演、または準主演を務められる25歳以下の俳優が少ない」のも事実。現在、連ドラで主演級を務める菅田さん以外の若手俳優は、林遣都さん(31歳)、山田裕貴さん(31歳)、坂口健太郎さん(30歳)、染谷将太さん(29歳)、仲野太賀さん(29歳)、吉沢亮さん(28歳)、竹内涼真さん(28歳)、神木隆之介さん(28歳)、間宮祥太郎さん(28歳)、成田凌さん(28歳)、福士蒼汰さん(28歳)、山崎賢人さん(27歳)などのアラサーが大半を占めています。

 彼らアラサー俳優の主な支持層は10~40代と幅広い上に、民放各局が重点ターゲットに掲げる視聴者層とほぼ一致。彼らを主演や準主演に据えることで、視聴率獲得につながりやすい30~40代を抑えつつ、スポンサーの求める20代以下の層を狙うこともできます。逆に20歳前後の役柄に近い25歳以下の俳優は、同年代の支持はあっても年上世代からの認知度や支持率はまだ低く、視聴率につながりにくいとみなされがちです。

 また、役をつかむ感性の鋭さを評価されることの多い菅田さんは、年齢のイメージを持たれることがあまりありません。実際、昨年の『コントが始まる』(日本テレビ系)で演じた売れない芸人・高岩春斗、2020年の『MIU404』(TBS系)で演じた黒幕・久住、2019年の『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)で演じた狂気の教師・柊一颯、2018年の『dele』(テレビ朝日系)で演じた何でも屋・真柴祐太郎。いずれも強烈なキャラクターが前面に出た視聴者に年齢を意識させない役柄でした。

『ミステリと言う勿れ』と『鎌倉殿の13人』の2役も、設定上の年齢は20歳前後ではありますが、あくまでキャラクター重視の役柄であり、あまりそのことを意識して見ている人は少ないのではないでしょうか。

 さらに、『ミステリと言う勿れ』は大学生が集まるキャンパスや飲み会などのシーンが少ない、『鎌倉殿の13人』は源義経より4歳年下の主人公・北条義時を、菅田さんより10歳年上の小栗旬さんが演じることから、違和感を抱かれにくいところもありそうです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン