創価学会総本部の広宣流布大誓堂(時事通信フォト)

創価学会総本部の広宣流布大誓堂(時事通信フォト)

見えない落選運動

 昨年の総選挙でそのパワーの一端をのぞかせた。神奈川13区で敗れた自民党の甘利明・幹事長(当時)と東京8区で落選した石原伸晃・元幹事長のケースだ。

「政治資金問題を抱える甘利さんは選挙戦直前に公明党から推薦を受けたものの、学会組織は全く動かず、逆に対立候補に票が流れて敗れた。石原さんはそもそも公明党の推薦を受けていないから、学会は自主投票で対立候補に大量の票が乗った」(自民党選対スタッフ)と分析されている。

「全国から落選運動を強烈にやられた」。甘利氏はそう敗戦の弁を語ったが、頼みの学会票で“見えない落選運動”が起きていたことがうかがえる。

 自公の選挙協力の交渉が最終決裂すれば、創価学会は堂々と「自民党のこの候補は応援しない」と落選運動を展開できる。

 自民党の茂木敏充・幹事長は参院選の目標に「与党で過半数」を掲げているが、1人区で学会票が寝返り自民党が議席を失う事態になれば、岸田政権に赤信号が灯る。それ以前に、岸田文雄・首相が公明党・創価学会と手打ちできないまま参院選が近づけば、集票マシンを失う参院の改選組を中心にパニックが広がり、党内に岸田降ろしが起きる可能性もある。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。

「岸田首相がそれを回避しようと思えば、創価学会中枢にパイプが太い菅義偉・前首相に頭を下げて橋渡ししてもらうしかない。創価学会も自公の過半数割れまでは望んでいないはずだが、その場合、参院選後の内閣改造で菅グループや二階派など、岸田首相と対立する反主流派から議員を入閣させることを求められ、政権運営は難しくなる」

 いずれにせよ、岸田首相は“公明党・創価学会の乱”で追い詰められている。

※週刊ポスト2022年3月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン