73歳で現役の石原医師は、筋肉運動も習慣としてやっている。
「週に2回のウェイトトレーニング、週4、5回のジョギングをしています。学生時代に競技として取り組んできたのでベンチプレスは今も100kg上げます。一般の高齢者にとっても筋肉をつけることは老化予防や健康のために欠かせません。筋肉からはマイオカインというホルモンが分泌され、それが血圧を下げたり、脳の海馬の血流を良くして認知機能を正常に保ったりと役立ちます」
老けない歩き方
25kgの減量に成功した工藤内科院長の工藤孝文医師は、肩甲骨の体操は欠かせないと語る。
「肩こりは緊張状態やイライラで交感神経が優位になっている時に感じます。交感神経が優位になると血圧も上がりますし、心筋梗塞、脳梗塞の原因にもなるため、副交感神経優位にさせるためには運動が必要です。
そこで意識して動かすようにしているのは肩甲骨。まず、お腹に力を入れて良い姿勢を保って座ります。拳を握って腕を前に伸ばし、胸を開きながら腕を横に開いていく。そして肘を曲げながら肩甲骨を背骨の中心に寄せた状態で5秒ほど維持する、という流れを繰り返します」
老けて見られないためには「歩き方」も大事だと工藤医師は言う。
「年齢を重ねると歩き方が小股になりがちです。そこで僕が指導しているのは、10メートル先を見るようにして、足の付け根がお臍くらい上にあるとイメージして大股に歩くこと。背筋が伸びるようになり、自然と顎も引ける。僕もそう意識して歩いていますが、肩こりや首こりも改善され、高齢者の場合は転倒防止にもなります。姿勢一つで血流も変わるので見た目の若々しさにもつながるのです」
“老けない医師”には、日常生活でのちょっとした工夫があるのだ。
※週刊ポスト2022年3月11日号