国際情報

「プーチンの頭の中」を推し量る上で有用かもしれない米ドラマ

(時事通信フォト)

健康状態を疑問視する声もある(時事通信フォト)

 世界が怒り、理解しあぐねている。ウクライナ侵攻に踏み切ったプーチン大統領をどう捉えればいいのか。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘した。

 * * *
 今の世界的混乱を前にして「プーチン」という人格がいかに形作られたか注目が集まっています。しばしば指摘されるのが、旧ソ連の情報機関KGB(国家保安委員会/91年に解体)にいたという経歴。過去のスパイ経験が今回の判断に影響を落としているのではないか、とも指摘されています。

 スパイと言えば映画やドラマの中で繰り返し描かれてきたテーマ。007シリーズからミッション:インポッシブルまで、古今東西を通じて有名な作品は多い。MI5やMI6、CIAやFBIといった組織も映画やドラマに頻繁に登場する。しかし、ソ連の諜報機関KGBについてはどうでしょう。

 いかなる組織か、どんな活動をしていたのか、そしてどんなメンタリティの人々を作り出してきたのか。全体像はベールに包まれリアルな詳細を描き出す作品も多くはなく、映画でいえば2018年公開の『レッド・スパロー』などが話題になりました。

 1975年にKGBに入省したプーチン氏。80年代初めに対外スパイ部門に移り、KGBの一員として東ドイツに駐在。その時東西ドイツを分断するベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが瓦解していくのを目の当たりにして何もできなかったことがトラウマになっていると言われています。

 プーチン氏は大統領に就任するとKGB時代の同僚を政権に呼び寄せクレムリンを固めました。今の側近のうち3人-パトルシェフ安保会議書記、ナルイシキン対外情報局長官、ボルトニコフ連邦保安局長官はみなKGBの同僚です。

 謎めいた組織であり今のロシア政治に大きな影を落とすKGB。それを一般人の生活風景、しかも夫婦という視点から活写した興味深いドラマがあります。『ジ・アメリカンズ』(2013-2018年)はゴールデン・グローブ賞(作品賞)、エミー賞(主演男優賞・脚本賞)の栄冠に輝いた作品で、元CIA職員のジョー・ワイズバーグが企画・製作指揮、アメリカに潜入した実在のロシアスパイ夫婦の事件を下敷きに制作されただけに描写も生々しい。

関連記事

トピックス

八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン