国内

維新に取り込まれた在阪メディア 囲み取材で質問しない新聞記者も

維新の会と在阪メディアの距離感を指摘する声も(時事通信フォト)

維新の会と在阪メディアの距離感を指摘する声も(時事通信フォト)

 在阪テレビ局のワイドショーにレギュラーのように出演し、東京を超えたコロナ死者数への説明は無批判に流布され、番組の中で「総理になる人」と持ち上げられる──それが、大阪府のトップである吉村洋文知事だ。在阪メディアと大阪府は、不自然なまでに“良好すぎる関係”となっているのだ。

 昨年12月27日、大阪府は読売新聞大阪本社と教育・人材開発や地域活性化、産業振興など9項目の「包括連携協定」を結んだ。

 協定書には〈対話を通じた密接な連携により、府民サービスの向上及び府域の成長・発展を図ることを目的とする〉とされているが、府のホームページには9項目の一つに、「大阪府の情報発信への協力」が挙げられている。

 吉村氏と読売新聞大阪本社の柴田岳・社長が協定締結した3日後(12月30日)、読売系のスポーツ報知はネット版で吉村氏がプライベートで筋トレする様子をインスタグラムの写真とともに“スクープ”した。

〈吉村洋文知事、休日の筋トレ姿を公開!たくましい筋肉に黄色い声殺到「カッコ良すぎ」「キャー!」〉との見出しで、「えー 吉村さんカッコ良すぎます もうアイドルですね」「どこまでも男前やん」といったフォロワーの声を報じた。

 吉村氏を“あさパラファミリー”として持ち上げる読売テレビの情報バラエティ番組『あさパラS』のほか、スポーツ報知の記事といい、読売グループあげての臆面もないヨイショぶりだ。これが包括協定の「大阪府の情報発信への協力」の正体なのか。

 読売新聞は協定の発表時、〈協定が読売新聞の取材活動や報道に影響を及ぼすことは一切なく、協定書にもその旨を明記している〉とコメントを出したが、元神戸新聞記者で『地方メディアの逆襲』などの著書があるノンフィクションライター・松本創氏はこう指摘する。

「自治体と地方紙や全国紙の地方支社が包括連携協定を結んだ前例はある。また、大阪市が今年2月に開館した大阪中之島美術館の運営を朝日新聞のグループ企業の子会社が担うといった形の協力関係もある。しかし、読売と府の協定は質が違う。大阪では維新の会が府議会の過半数、市議会でも最大会派で、吉村知事と松井市長に権力が集中している。読売は事実上、維新という政治勢力と手を組んだと見られても仕方ない。吉村府政の広報や万博開催で協力を約束しながら、報道機関として公平・中立を守るなど本当にできるのか」

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン