お心を痛められているに違いない(2016年、東京・千代田区。AFLO)

お心を痛められているに違いない(2016年、東京・千代田区。AFLO)

米クリントン大統領と露エリツィン大統領

 前述したように、日本の皇室は「中立」である。

「中立というと、“どっちつかず”という印象を抱きがちですが、こと皇室外交においては、どの国や地域ともお互いを尊重し、友好関係を築くことができるということです。これは日本の皇室にしかなしえないことです」(別の皇室ジャーナリスト)

 戦後、日本政府のアメリカ追従の姿勢は拭えない。しかし、皇室はそうした政治的なスタンスとも切り離された存在だ。

「あらゆる国や地域とフラットな立場で交流できることが皇室の特殊性です。そうした皇室の国際交流の特徴を、外務省も重々理解している。日本の皇室は、世界各国をつなぐ『奇跡的な外交力』を持っていると言えるのです。

 そのうえ、いまの皇室の中心は、幼少期を旧ソ連やアメリカ、スイスで過ごし、のちに米ハーバード大学を卒業されて外務省の最前線で外交に携わられた雅子さまです。陛下は“外交のエキスパート”である雅子さまから直接、最新の世界情勢についての情報を得て、国際交流に臨める。これほど心強いことはありません」(外務省関係者)

 雅子さまの“外交力”は、これまでにも発揮されてきた。雅子さまは英語はもちろん、前述したようにロシア語のほか、スペイン語、フランス語、ドイツ語も自在に操るという。約30年前の1993年7月、日本で東京サミットが開催された。

「アメリカからはクリントン大統領(当時)、ロシアからはエリツィン大統領(当時)が出席しました。迎賓館で開催された政府主催の晩餐会で、両者の間の席に座ったのが雅子さまでした。

 通訳を介さず、クリントン大統領とは英語で、エリツィン大統領とはロシア語でやりとりをする雅子さまのお姿には政府関係者も驚きを禁じ得なかったといいます。冷戦終結直後、融和に向けて歩み寄る2人のリーダーの間にいらしたのは、ほかでもない雅子さまだったのです」(別の外務省関係者)

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