ウクライナは戦火に包まれている(時事通信フォト)
ウクライナ侵攻をきっかけに、「新冷戦」「第三次世界大戦」など、ふたたび東西の分断がささやかれている。アメリカとロシア、どちらの土地にも居住経験があり、どちらの言語でも円滑なコミュニケーションが可能な皇后の存在は、どれほど貴重だろうか。1994年にアラブ7か国を訪問された際には、女性だけの晩餐会に出席された。
「男女は同席しないというイスラムの慣習に則ってのことでした。隣に皇太子さまがいらっしゃらない状態での晩餐会と言われたら、たいていの女性ならば戸惑ってしまうでしょう。しかし雅子さまはそうした場でも、持ち前の語学力とコミュニケーション力で会話を弾ませ、アラブ諸国の女性王族とのパイプを構築されたのです」(皇室記者)
記憶に新しいのは2019年5月、陛下の即位後初めての国賓として、アメリカのトランプ大統領(当時)が来日したときのこと。皇居・宮殿の玄関で、両陛下は通訳なしで夫妻を迎えた。
「当時、愛子さまは高校2年生。トランプ夫妻の子息は13才でしたから、雅子さまとメラニア夫人は互いのお子さまの話に花が咲いたようでした」(前出・皇室記者)
その後開かれた晩餐会のお見送りの際にも、雅子さまの外交力の高さが光った。
「雅子さまは夫人の手を握り、両頬を軽くふれあわせるチークキスを交わされました。チークキスはヨーロッパの挨拶の慣習で、通常アメリカの人はほとんどしません。ただ、メラニア夫人はスロベニア出身なので、親しい友人にはチークキスをする文化がある。雅子さまはそういったこともご存じだったのでしょう。雅子さまは、短時間で打ち解けられ、そのうえお相手の文化を自然に取り入れてコミュニケーションをとられたのです」(前出・外務省関係者)
そして今年5月、就任後初めてアメリカのバイデン大統領が来日する予定だ。
「トランプ氏のケースを考えると、バイデン夫妻も両陛下と面会する可能性は充分あります」(前出・宮内庁関係者)
その頃、ロシアのウクライナ侵攻はどんな局面を迎えているだろう。日本はもちろん、アメリカや諸外国は対ロシア政策を求められ、世界の勢力図は大きく書き換えられているかもしれない。「新冷戦」により、深い分断が起きていることもあるだろう。そんなときに、世界平和を築く旗振り役になるのは、“奇跡の外交力”を持たれる雅子さま、そして日本の皇室ではないか。
※女性セブン2022年3月24日号