国内

菅義偉前首相、グループ結成機運に「まるで『鎌倉殿の13人』」との指摘

まるで北条氏?(時事通信フォト)

まるで北条氏?(時事通信フォト)

 かねてグループ結成が噂されていた菅義偉・前首相が、ついに動き出した。月内にも自身に近い自民党所属の無派閥議員約30人を中心に勉強会を立ち上げる予定であることが報じられたのだ。当面はグループ化はせず緩やかな政策集団として活動していくとのことだが、周囲は菅氏の再始動に浮き足立っている。ベテラン政治ジャーナリストは言う。

「勉強会には、二階派の武田良太氏が参加予定とされています。武田氏は菅内閣で総務大臣を務め、将来の首相候補とも目されている二階派のエース。当然、勉強会の参加にあたっては二階氏の了承を得ているはずで、二階氏が菅氏といまも気脈を通じている証です。

 もうひとりのキーマンは2月に麻生派を退会したばかりの佐藤勉氏です。菅グループ結集の旗振り役となっている佐藤氏は、2月半ばに二階派副会長の林幹雄氏、森山派会長の森山裕氏と会談しており、二階派(44人)に加え森山派(7人)もこの流れに追随する可能性が高い。無派閥議員を含めれば、すでにこの時点で80人規模になり、安倍派(94人)に次ぐ巨大グループとなります。岸田文雄・首相や麻生太郎・副総裁はこの流れを警戒し、主流派の結束を固めようと必死になっています」

 3月9日、岸田派(45人)、麻生派(49人)と谷垣禎一・元総裁を中心とするグループ「有隣会」(約25人)の3派でそれぞれ事務総長を務める根本匠、森英介、小里泰弘の3議員が会食したことが報じられた。3勢力が連携して岸田氏を支える方針を確認したとのことだが、菅グループの動きを意識したものとされる。

「宏池会から枝分かれした3派が再結集する『大宏池会』への布石とみられています。岸田氏や麻生氏も前のめりになっていますが、大宏池会をめぐっては、実現すると最大派閥から追い落とされることになる安倍晋三・元首相が快く思っていないようです。安倍氏は、現政権で安倍政権時代からの方針転換が目立つことにも不満を募らせており、菅氏が岸田氏の対抗勢力となることについては容認の構えだと言われています。

 今後の焦点としては、菅氏が総裁選で支援した河野太郎氏が麻生派を退会し、このグループに結集してくるかどうかです。最近のワクチン行政の混乱により、菅氏ととともにワクチン担当相だった河野氏も再評価されつつある。その河野氏が動けば、麻生派内で河野氏を応援した議員らもこぞって追随する可能性もあり、そうなれば麻生派は総崩れになりかねません」(同前)

北条義偉と河野頼朝

 菅氏に近い政界関係者は、菅氏、河野氏に小泉進次郎氏を加えた中核となる3人が神奈川県選出であることから、今後の動きをNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』になぞらえる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン