「ドイツの議会に対する演説では、独露を結ぶ天然ガスパイプラインの計画が進められてきたことが非難された。過去の日本の親プーチン政権的な姿勢が批判される可能性もあります。とりわけ、安倍晋三・元首相がロシアのプーチン氏と関係を深めようと前のめりになってきたことにゼレンスキー氏が言及する可能性はあるでしょう。
岸田文雄・首相はこの間、安倍氏がプーチン政権に接近するためにやってきたことを否定するかのような作業を進めてきた。安倍氏は北方領土の返還を実現したいがあまり、従来の『固有の領土』という表現を『我が国が主権を有する島々』というロシアを刺激しないような表現に変えていた。それについて岸田首相はこの3月から『固有の領土』という表現に戻した。
安倍政権の時のようにロシアに迎合しないという“安倍離れ”の姿勢を鮮明にしたということでしょう。ゼレンスキー氏の演説に安倍批判が含まれる場合、岸田首相がそれに応じてさらにロシアに厳しい姿勢を取るようになり、結果として安倍離れが加速する可能性は十分にある」(前出・ベテラン政治ジャーナリスト)
ゼレンスキー氏の演説内容はどのようなものになるのか。それが日本政府の姿勢にどのような変化をもたらすのか。プーチン氏がゼレンスキー氏の暗殺のために傭兵を投入したとの情報も出てきており、事態の推移を多くの関係者が固唾を呑んで見守っている。