ライフ

日本の肥満患者の7割が該当する「モナリザ症候群」原因は交感神経の乱れ

(写真/Getty Images)

たんぱく質多めの食事を意識することが大切(写真/Getty Images)

 朝食はグリーンスムージーで健康的にスタート。肉や白米は脂肪と糖のかたまりだからNG。カロリーも糖質も脂質もカットしている。それなのにまったくやせないのはどういうこと? 食べていないのに太る理由は、食事以外にあることも。医師で医療ジャーナリストの森田豊さんは、日本の肥満患者の7割が「モナリザ症候群」だと指摘する。

「モナリザ」とは「Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity(大部分の肥満は交感神経の活動低下による)」という英文の頭文字をつないだ言葉。1991年に米国のジョージ・ブレイ博士が提唱した考えで、自律神経のバランスが乱れて交感神経の働きが低下することは、肥満と密接な関係があることが明らかになった。

「自律神経とは、24時間つねに呼吸や消化、血流、内臓の働きなどを司っている神経です。脳や体が活発に働いているときにアクセルの働きをする『交感神経』と、食後や睡眠中など、リラックスするときにブレーキの働きをする『副交感神経』に分かれています」(森田さん・以下同)

 交感神経が優位に働くと、心身が活発になってアクセルがかかる、つまり、活動するために代謝も消費カロリーも増加する。一方、副交感神経が心身にブレーキをかけるとリラックスし、エネルギーを消費する必要がないため、代謝は下がる。

「本来は、日中に交感神経が活発に働くことで、エネルギーを充分に消費します。なんらかの原因で交感神経がうまく働かなくなることが、モナリザ症候群の原因です」

 WHO(世界保健機関)は、BMI値が30以上を肥満と定めている。だが、森田さんによれば、日本ではBMIが30を超える人はまれ。日本人の肥満患者は、世界規模で見れば、そこまで太っているとは言い難い。

「欧米人とは異なり、日本で“太っている”と言われる人の多くは、BMIが25〜30未満。海外の肥満の原因が主に暴飲暴食であるのに対し、日本人は食べすぎていないのに太っている。モナリザ症候群による軽度肥満が多いと考えられます。このコロナ禍で在宅勤務や外出自粛で家の中にいることが増えて日中の活動量が減ったり、昼夜逆転して自律神経のバランスが乱れ、モナリザ症候群になっている人は増えたはずです」

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト