国際情報

プーチン氏「原爆」発言 ゼレンスキー氏の対日イメージ戦略との格差

世界を敵に回すプーチン氏(写真/共同通信社)

世界を敵に回すプーチン氏(写真/共同通信社)

 プーチン大統領は3月25日、ロシアの文化功労者へのスピーチで、独自の“日本批判”を展開。「誰が原爆を落としたのかを言わない」などとして、日本の米国追従の姿勢を批判する言葉を並べた。ウクライナ侵攻に対して日本が経済制裁に踏み切ったことなどを受けての発言だとみられるが、そこにはプーチン氏の焦りが垣間見え、3月23日に日本の国会に向けて演説したウクライナのゼレンスキー大統領との“表現力”の差が浮き彫りになってきた。

「誰が原爆投下したかを言わない」「真実を無視している」──。

 3月25日のスピーチでプーチン氏は、根拠も示さずに「日本の教科書は米国の虐殺行為を説明しない」などといった主張を展開した。自民党関係者が言う。

「日本政府はこれまでもロシアに厳しい制裁を実施しているが、G7のためにベルギーを訪問した岸田(文雄)首相はさらに、貿易上の優遇措置などを保障する『最恵国待遇』を撤回する法改正を進めることや、輸出入をさらに制限するといった制裁強化の方針を明らかにした。そうして西側諸国と足並みを揃える姿勢がプーチン氏をいらだたせ、国内向けの“反日アピール”になったのではないか」

 これまで、柔道愛好家であることや贈られた秋田犬を可愛がっていることなどから“親日家”という印象がアピールされてきたプーチン氏だが、ウクライナ侵攻を機にそのイメージは一変した恰好だ。政治ジャーナリストはこうみる。

「今回の発言は国内向けのものでしょうが、それが伝わってきたことで、日本側のプーチン氏に対する印象はさらに悪くなる。巧みなスピーチ力で日本人の幅広い支持を得たウクライナのゼレンスキー大統領とは本当に対照的だ」

 3月23日に日本の国会に向けて演説したゼレンスキー氏は、ロシアによる侵攻を「津波」にたとえ、事故が起きた原発や復興、そして追われた故郷への思いといった日本人の琴線に触れるキーワードを盛り込む演説をし、喝采を浴びた。

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン