国内

河野太郎氏 菅前首相の勉強会に参加意思も「結束が乱れる」と懸念の声

河野太郎氏(写真/Getty Images)

河野太郎・広報本部長が勉強会参加の意向で、さまざまな意見が出る(写真/Getty Images)

 菅義偉・前首相を中心として自民党内の「非主流派」を派閥横断的に束ねる勉強会をめぐり、立ち上げに向けた動きが活発化している。4月6日には二階派の武田良太・前総務大臣と、2月に麻生派を退会した佐藤勉・前総務会長らが都内で会談し、勉強会立ち上げに向けた方針を確認し合ったという。

 勉強会には菅氏を支える無派閥グループのほか、二階派、森山派、石破グループの議員が参加する見通しだが、最大の目玉は菅氏が総裁選で推した河野太郎・広報本部長の存在だ。かねて参加が取り沙汰されていた河野氏だが、4月8日の記者会見で「声が掛かったら参加する」との意向を示した。

 この参加表明には相当の覚悟が必要だったはずだと、ベテラン政治ジャーナリストは言う。

「河野氏は現在、主流派の一角を占める麻生派に属しています。勉強会というのは名目で、非主流派を結集させるグループ結成への動きであることは明らかですから、ここに河野氏が参加することを、麻生太郎・副総裁が快く思うわけがありません。まして仕切り役になっているのは麻生派を飛び出した佐藤氏ですから、これは将来の派閥離脱を見据えた動き、つまり麻生氏との事実上の決別宣言だと捉えるのが自然でしょう。

 一方、菅氏は河野氏の参加を待ち望んでいたことでしょう。総裁選で河野氏を担いだ菅氏は、敗れたものの依然として河野氏を買っており、先日出演したインターネット番組でも『愚直で度胸がある』として将来の総理候補と評価していました。

 菅氏の狙いは自らがもう一度上に立つことではなく、あくまでキングメーカーとして河野氏を総理に育てるつもりではないかとみられています」

 だが、菅氏による河野氏への肩入れは、周囲との“距離”も生んでいる。菅側近のひとりは語る。

「われわれはあくまで菅さんをもう一度盛り立てるために集まるわけであって、河野さんを担ぐためではありません。そもそも菅さんと周囲の間では、河野さんの評価をめぐって隔たりがある。菅さんは河野さんの愚直さや度胸を評価しますが、言い換えれば独断専行で人の言うことを聞かず、人望に欠ける部分があるということ。総裁選で敗れた原因はそこにあるのではないでしょうか。

 河野さんが参加することは有り難いですが、彼がトップになるということであれば話は別。参加者の間では、菅さんがもう一度立つつもりがないなら、二階派の武田さんを総理候補として育てるべきという声もある。菅さんが河野さんを最初から推すようだと、グループ自体の結束が乱れる懸念があります」

 河野氏という劇薬はどのような副作用をもたらすのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

史上初の女性総理大臣に就任する高市早苗氏(撮影/JMPA)
高市総裁取材前「支持率下げてやる」発言騒動 報道現場からは「背筋がゾッとした」「ネット配信中だと周囲に配慮できなかったのか」日テレ対応への不満も
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
「父と母はとても仲が良かったんです」と話す祐子さん。写真は元気な頃の両親
《母親がマルチ商法に3000万》娘が借金525万円を立て替えても解けなかった“洗脳”の恐ろしさ、母は「アンタはバカだ、早死にするよ」と言い放った
NEWSポストセブン
来日中国人のなかには「違法買春」に興じる動きも(イメージ)
《中国人観光客による“違法買春”の実態》民泊で派遣型サービスを受ける事例多数 中国人専用店在籍女性は「チップの気前が良い。これからも続けたい」
週刊ポスト
競泳コメンテーターとして活躍する岩崎恭子
《五輪の競泳中継から消えた元金メダリスト》岩崎恭子“金髪カツラ”不倫報道でNHKでの仕事が激減も見えてきた「復活の兆し」
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン