国内

吉野家不適切発言の後、店頭で暴言を浴びるバイト学生の胸のうち

2018年まで築地市場内にあった「吉野家」の1号店(時事通信フォト)

2018年まで築地市場内にあった「吉野家」の1号店(時事通信フォト)

 世の中、誰かを罵倒したい人であふれている。社会的に非難されるようなことが起きたとき、その事象を起こした当事者へ過剰に責任を負わせようとしたり、責任をとりようがない立場の関係者を罵ったりする人が少なくない。吉野家の元役員による不適切発言が公になって以来、なぜかアルバイト店員まで怒声を浴びせられる理不尽なことが起きている。俳人で著作家の日野百草氏が、店員へのハラスメントが繰り返されている吉野家アルバイト学生に、胸のうちをきいた。

 * * *
「吉野家の牛丼そのものに問題はありません。バイトが偉そうに、と思われるかもしれませんが、自信をもって美味しいと言える商品です」

 日本を代表する国民食であり、ひとつの文化として愛されてきた牛丼チェーン「吉野家」、筆者の知人にもかつて働いていた人、いまも働く人がいる。みなさんの周辺にもいることだろう。なにしろアルバイトも含め約2万人を超える人が吉野家で働いている。その大半はアルバイト(パート従業員)だが、待遇も含めて評判のいいバイト先でもあり、いまもそうだろう。それに牛丼、とにかく美味しい。

「それなのにひとりの(元)役員のために大変なことになりました。私たちはなにも悪くないのに」

お客様から直接言われるのは私たち

 20代の学生アルバイトである彼はコロナ禍も吉野家で働いてきた。彼のことは中学時代から知るが、顔つきといい話し方といい、学生アルバイトとはいえ社会で働くということはこんなに人を成長させるのか。これも吉野家の歴史ある従業員教育の賜物だろうが、そんな吉野家が彼の言う通り、たったひとりの役員(当時。以下、元役員とする)のために大変なことになってしまった。

「お客様から直接言われるのは私たちです。SNSでも日本中の吉野家の店員が悲鳴を上げています」

 本稿、アルバイトとはいえ従業員である。業務上の差し障りある内容はすべて書かない約束をしているし、そもそも本旨ではない。ただ伝えたいことは、ただひとりの元役員が不適切な発言をしただけで、従業員はもちろん吉野家の味とも関係がないということ。彼もただそれだけを伝えたい一心であり、筆者もそうである。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン