四話では和装の八卦見おじさんになって虫眼鏡を振り回し、清掃スタッフおばさん姿で一華の同僚の動きをチェック。隠れたいんだか、目立ちたいんだか、いつ衣装を用意してんだよ!ともはや誰も突っ込まなくなっている。
だが、考えてみると滝藤賢一は日本では珍しい「ちょっと過剰」が個性として確立した俳優なのである。ターニングポイントになったのは、『半沢直樹』でブレイクした翌2014年ころだ。この年、『俺のダンディズム』に初主演しおしゃれアイテムに毎回興奮。「一見、普通の財布に見えて、開けたらアリゲーター!!」などと叫びながら、両腕をパカパカとワニの口のように動かしたりした。
同年、『ひとつ星の恋~天才漫才師横山やすしと妻』で横山やすし役を演じたときは、しゃべくり、怒り、嘆く姿があまりにそっくり!!とびっくり。その後、CMでは女装してシンクを磨きながら「あなた、シャンプーで全身洗っちゃう人?」と問いかけてきたし。私たちはずっと、ちょっと過剰な姿を見続けてきたと言える。
そして、今、『家電侍』(BS松竹東急)では、タイムスリップしてきたタブレット端末にさまざまな最新家電を発注し、江戸の長屋で家族で使ってみる浪人・兼梨四十郎も熱演中だ。炊飯器で飯を炊いて感激し、掃除ロボットの仕事に「神のなせる技!!」と驚愕する。先日はついに妻の美顔器や防犯カメラも設置…って、いったい電源はどうしてるのか? もちろん、四十郎が発電用自転車で蓄電してます。過剰なまでにこぎまくって。