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【ルポ前編】ドヤ街・山谷の感染対策「やれることは徹底してやった」簡易宿所の奮闘

ホテル白根では感染者向けの療養・入院手続きについて案内を掲示している

ホテル白根では感染者向けの療養・入院手続きについて案内を掲示している

 1階に住む当時90歳の男性が発熱。PCR検査の結果、陽性が判明した。かつて日雇い労働者として働いた人で、若い頃は面倒見がよく、今でも皆から親しみを込めて“マサやん”と呼ばれる気のいいおじさんだ。女将の豊田さんが語る。

「PCRの結果が出るのが検査から3日くらいかかったのよ。さらに陽性判定から受け入れ先の病院が決まるまで、合わせて1週間くらいはここ(ドヤ)にいなきゃいけない。でもさ、防疫の知識なんかほとんどないし、保健所の人も事細かには教えてくれない。YouTubeで勉強して、やれることは徹底してやりましたよ」

 マサやんが生活しているのは1階の103号室だ。その日からここが“レッド・ゾーン”となった。

 部屋のドアを開けると、幅80センチ、奥行き30センチほどの靴脱場がある。豊田さんはビニールのゴミ袋を切り開いて張り合わせた手製のカーテンを作り、天井から吊り下げて靴脱場と室内を仕切った。部屋のドアとビニールの間の狭い靴脱場が、レッド・ゾーンとグリーン・ゾーンをつなぐ、いわばイエロー・ゾーンの役目を果たす。

 服装にも気を遣い、100円ショップで買い揃えたビニール製の雨合羽とシャワーキャップなどを身につけて入る。

「ビニールの隙間からお弁当などを渡したら、キャップと雨合羽はこのイエロー・ゾーンで脱いで畳んでおき、次からはこの場所で着替える。手袋はその都度廃棄ね」

 ドヤは共同トイレのため、陽性者には災害時用に揃えてあった簡易トイレを持ち込んで設置した。しかし、そこまで対策しても、陽性者が高齢ゆえの困難もある。

「マサやん、少しだけ認知症の症状があるのよ。だからお願いしても、部屋からひょっこり出てきて皆の使うトイレに入っちゃうことがある」

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