芸能

『鎌倉殿の13人』歴史研究家が指摘「このペースでは最後まで終わらない」

義時を演じる小栗旬(時事通信フォト)

義時を演じる小栗旬(時事通信フォト)

 好調が続くNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。5月22日(日)に放送された第20回「帰ってきた義経」では、平氏追討の立役者となった源義経(菅田将暉)が兄・源頼朝(大泉洋)らの策謀によって死に追いやられ、〈過去最高の神回〉とSNSで評判を呼んだ。毎回で見どころ満載の同ドラマだが、一方で「ある懸念」が浮上している。歴史研究家の河合敦氏が語る。

「第20回まで終わりましたが、進行がやや遅すぎると感じています。主人公である北条義時(小栗旬)が活躍するのは頼朝が死んでからなのに、物語は弟・義経の追討がようやく終わったところで、頼朝はまだ征夷大将軍にもなっていません。このペースだと物語のクライマックスである『承久の乱』をしっかり描けるかどうか……」

 頼朝が征夷大将軍に就任し鎌倉幕府が成立するのは、義経の死の3年後。その直前には暗躍を続けている後白河法皇(西田敏行)の崩御もあり、まだまだ「未消化イベント」が多く残っている。あるドラマウォッチャーが語る。

「昨年放送の『青天を衝け』の放送回数は、新型コロナの影響を受けて全41話。コロナ前の2019年放送『いだてん~東京オリムピック噺~』が全47話だったことを考慮すると、『鎌倉殿』も45話前後で最終回を迎えると予想されます。尺的にはすでに折り返し地点にさしかかっていることを考えると、相当な駆け足で進まないと義時の生涯を描ききれない」

『承久の乱』で義時と対立する「ラスボス」である後鳥羽上皇のキャストには、すでに尾上松也が内定済。北条政子(小池栄子)の覚醒など多くの重要イベントが待つ後半、ここまでの濃さを維持できるのか──。前出のドラマウォッチャーが言う。

「例えば『屋島の戦い』で最も有名な那須与一が扇子を射貫くシーンを完全に省略するなど、登場人物の造型に影響を持たないと判断された出来事は思い切ってカットされている。それでいて登場人物が多く複雑なこの時代をわかりやすく描ききっているのは、三谷脚本の妙技と言えるでしょう。

 進行上の問題もあり、今後も歴史上有名な出来事がバッサリとカットされる可能性はあります。一般的な通史にとらわれない人間ドラマをどう描くか、注目です」

 ノンストップで走り抜けられるか。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン