阪神・淡路大震災で倒壊した阪神高速神戸線(1995年撮影、時事通信フォト)

阪神・淡路大震災で倒壊した阪神高速神戸線(1995年撮影、時事通信フォト)

 木造建物が密集する“木密エリア”が危険視されているが、吉岡さんは現代の街並みにこそ危険が隠れていると指摘する。

「火災旋風が危惧されるのは、木造建物エリアだけではありません。都内各地で増える高層ビル街では、突風のビル風が発生します。その風が、火災旋風を巻き起こすようなことも考えられます」

 身近な交通機関にも、地震発生時には危険が潜んでいる。電車やモノレールなどの鉄道が揺れで脱線した場合、車内で乗客が頭や体を強打すれば死につながる。震度6以上の地震が発生すれば、線路は500mに1か所の割合で変形するとされており、復旧には1か月以上の時間が必要とされている。

「首都直下地震は19か所ほど震源となる場所がわかっており、国も東京都も備えています。しかし、首都直下地震の発生時期を予知するのは不可能です。30年後かもしれませんが、明日かもしれないのです」(鎌田さん)

 私たちにできることは、備えることだけなのだ。

※女性セブン2022年6月16日号

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