カジュアルな服装をする中川大志
「堺さん演じる山南は荒々しい新選組の中で理知的なキャラクターが異彩を放ち、人気を集めました。理想を追求しながらだんだん居場所を失い、自ら新選組を抜け出したことで切腹に追い込まれるという悲劇的な最期が反響を呼び、堺さんを一気にスターダムに押し上げました。
鎌倉殿のために尽くしてきた畠山にも、今後、信じてきた仲間に裏切られるという悲劇的な最期が待っています。それが分かっているので、ファンもいっそう、畠山を山南に重ねているのです」
芸能評論家の三杉武氏は、本作をきっかけに中川が「ポスト堺雅人」に浮上する可能性を指摘する。
「中川さんは、役者として堺さんを尊敬しているとインタビューなどで公言しています。特に同じ三谷作品の『真田丸』での共演は、俳優として大きな刺激を受け、ひと皮むけるきっかけになったのは間違いありません。徳川に滅ぼされる中川さん演じる豊臣秀頼、秀頼を支える堺さん演じる真田幸村、2人のやり取りは、ひとつの見せ場として印象に残っています。本作の中川さんの演技は、そうした影響がプラスに働いている印象があります。
中川さんは23歳にして、並み居る先輩俳優に負けず、独特の存在感を放っています。三谷作品をはじめ。しっかりとしたキャリアを積んできたという証です。今作をきっかけに、ポスト堺雅人への道を歩み始めるかもしれません」
中川は以前、出演したラジオ番組で、堺雅人について、「すごく影響を受けました」「意識はしているんですけど、やっぱりなかなか真似できるものではないですね」と語っていた。その憧れのポジションに、近づきつつあるのかもしれない。
