六本木のヴェルファーレで歌う松平健(2005年)
思えば、『マツケンサンバⅡ』は、昨年末、「第72回NHK紅白歌合戦」の特別企画に登場。「紅白」で歌われるのは、レコード大賞「特別賞」を受賞した2004年以来だった。2021年の東京オリンピック・パラリンピック開催前には、開会式・閉会式にこの曲の待望論がSNSを中心に巻き起こったことも記憶に新しい。なぜ、これほど『マツケンサンバⅡ』の人気が高いのか。
この楽曲が数少ない国民ソングだからだ。2004年当時、はじめは時代劇スター松平健のピカピカぶりに口あんぐりだった視聴者も、そのインパクトと明るさに共感。宴会では、金の着物にちょんまげ姿で踊る人が続出し、SMAPの香取慎吾は『カツケンサンバ』を披露した。それから音楽の楽しみ方はどんどん細分化し、老若男女誰もが楽しく歌い踊れる曲は、育たなくなっている。そんなとき、思い出されるあの輝き…。そして、マツケン、マツベン、青汁三杯、サンバ…ちょっとダジャレにしたくなるこの響き…。
冒頭にも書いたが、この曲はもともと松平健の舞台公演のフィナーレで使われたものだ。テーマは「誰もが笑顔になれること」。閉塞感も続いた昨今、明るく元気に華やかに。今年、過去のブレイクを知らない世代も虜にしたに違いない。国民的ソングとは、そういうものだと改めて思う。オーレ!!
昨年はNHK紅白に出演
オーレ!のポーズを決める松平健
牛丼、青汁などCM起用は多岐にわたる