それでも片方が歩み寄りさえすれば、聖子と沙也加さんの関係、一子さんと沙也加さんの関係も好転したかもしれない。しかし沙也加さんはその日が訪れるのを待つことなく、旅立ってしまった。突然の出来事に動揺を隠せない聖子を支えたのは、やはり一子さんだった。

「一子さんは沙也加さんが亡くなった札幌にも駆けつけました。四十九日法要でも、聖子さんに優しく話しかける一子さんの姿が目撃されています。沙也加さんの死をきっかけに、母娘の関係性はより濃くなったように思えます」(前出・芸能関係者)

 冒頭のコンサートが終わると、聖子は沙也加さんとの思い出が詰まった地を後にし、都内に戻りホテルで軽めの食事を取った。その聖子に寄り添っていたのも、一子さんだった。

 一子さんは今年10月に満90才を迎える。昨年には深刻な病気の兆候が見つかり、病院で検査を受けている。聖子とともに駆けつけた札幌から帰京した後は、体調を崩したとの報道もあった。そしてこの日は、段差のある通路では聖子の夫に手を引かれて移動していた。ここまでして聖子のそばにい続けるのは、沙也加さんを失った娘を支える意味合いはもちろんだが、ほかの理由もあるという。

「当然ですが、一子さんも沙也加さんを失ったことにショックを受けています。それと同時に、一時期はわが子のように育てた孫に、“あのとき”歩み寄っていれば……という後悔もあるんです。聖子さんとはできた和解が、なぜ沙也加さんとはできなかったのか。自分と沙也加さんとの関係が良好なら、聖子さんと沙也加さんの仲を取り持てたのではないか。一子さんは娘と孫の“共演”を、その目にもう一度焼き付けたかったようです」(聖子の知人)

 二度と後悔したくない──その思いを共有する母親の絆は、さらに強くなっている。

※女性セブン2022年6月30日号

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