スポーツ

6月マジック点灯も!独走ヤクルトに伝えたい「1965年の南海」はなぜ日本一を逃したか

ヤクルトは勢いそのままに優勝までいけるか(時事通信フォト)

ヤクルトは勢いそのままに優勝までいけるか(時事通信フォト)

 ヤクルトの快進撃が止まらない。交流戦を優勝した後もチームは好調を維持し、2位の巨人に11ゲーム差をつける独走態勢を築いている。ついには、史上初めてとなる6月中のマジック点灯の可能性も見えてきた。2連覇に向けて非常に順調な道のりだが、プロ野球の歴史を振り返ると、早いタイミングでのマジック点灯でチームに“息切れ”が生じたように見える例もある。今季のヤクルトはどうなるか。

 6月26日、ヤクルトが巨人との3連戦を2勝1敗と勝ち越したことで、5月の広島戦から交流戦を挟んで12カード連続で勝ち越しを決めた。12カード連続の勝ち越しは1965年の南海が6~7月に記録して以来となる。交流戦を挟む期間だったこともあり、両リーグ11球団からの連続勝ち越しという史上初めての記録も打ち立てた。

 絶好調のチームにあっては、やはり史上初となる6月中のマジック点灯の可能性もある。ヤクルトが6月28、29日に広島に連勝し、DeNAが阪神に連敗した場合、6月29日にマジックが点灯することになるのだ。過去の最も早いタイミングでのマジック点灯は1965年の南海の7月6日である。

 ただし、今年のヤクルトと1965年の南海とでは、消化試合数が異なる。ヤクルトは6月29日時点でマジック点灯となれば73試合時点となるが、4月10日開幕だった1965年の南海は、58試合での点灯だった。当時、マジックが点灯した7月6日時点での南海の成績は49勝9敗、勝率.845という圧倒的な数字。17連勝や10連勝、8連勝を記録し、連敗は2度しかなかった。本拠地(大阪球場)19連勝の日本記録も作っている。

 この年、南海は88勝49敗3分で、2位の東映に12ゲームの差をつけてリーグ優勝を果たした。しかし、2位に20.5ゲーム差をつけて7月6日にマジックが出たにもかかわらず、優勝したのは9月26日(121試合目=当時は140試合)のことである。マジックが出た後の成績は39勝40敗3分だった。

「油断をしたわけじゃないが、シーズンを通じて勝ち続けるというのは難しいということだと思いますよ」

 当時、南海の2番バッターとしてセンターを守っていた広瀬叔功氏はそう振り返る。1965年シーズンの広瀬氏は39個の盗塁を記録し、5年連続となる盗塁王に輝いている。4番に座っていたのは正捕手の野村克也で、この年は打率.320、本塁打42本、打点110で戦後初の三冠王を達成した。広瀬氏が続ける。

「あの頃は毎年のように西鉄と南海が優勝争いをするという展開で、南海は前年の1964年に日本一となっている。ノムやん(野村克也)は本塁打を5年連続、打点王を4年連続で獲得し、私も盗塁王は当たり前と思ってプレーしていた。ファンも勝つのが当たり前だったが、このシーズンはあまりの強さにファンが球場に来てくれなかった(笑)」

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト