ライフ

男性型脱毛症に悩む50代以上に朗報か 「DSC細胞治療」で発毛促進

男性型脱毛症治療にDSC細胞を用いた再生医療研究が進む

男性型脱毛症治療にDSC細胞を用いた再生医療研究が進む

 男性型脱毛症(AGA)は主に男性ホルモンが関わり、頭頂部と前頭部に男性ホルモン感受性毛包があって、そこが脱毛する。治療は内服と育毛剤、外科的な植毛だが、新しい治療法として自家毛球部毛根鞘(DSC)細胞を用いた再生医療研究が進んでいる。患者のDSC細胞を採取・培養し、脱毛部位に注入すると毛を太く成長させる効果が期待でき、数年以内での実用化を目指している。

 AGAはテストステロン(男性ホルモン)が5α還元酵素と結びつくことでDHT(別の男性ホルモン)が活性化され発症する。そのため、内服薬治療はDHTの活性化を抑制し、発毛を促す。

 そのDHTは前立腺と男性ホルモン感受性毛包にしか作用せず、働きを抑制しても性機能には影響を及ぼさない。また内服薬は男性ホルモン感受性毛包がない後頭部の脱毛には効きにくい。

 外用育毛剤のミノキシジルは降圧剤として開発。結果的に血行を促進、毛包細胞を活性化させる。米国では降圧剤の経口薬としても市販され、内服で全身が多毛になることも。

 東京医科大学名誉教授で西新宿サテライトクリニックの坪井良治院長に聞いた。

「植毛は後頭部から外科的に毛根が付いた状態で採取し、脱毛箇所に移動させる治療です。後頭部の毛根は移植した場所で毛髪を生育させます。ただし、薄毛の範囲が狭い人には有効ですが、生えている分布が変わるだけで数が増えないため、広い範囲での脱毛には向いていません」

 そこで新たな治療技術の再生治療研究が複数始まっている。中でも早期に実現可能な治療として注目されているのが自家毛球部毛根鞘(DSC)細胞を用いたものだ。

 毛根鞘は毛根の周囲にあり、毛根を頭皮につなぎとめる役割を担う。このDSC細胞注入治療は患者の後頭部から採取した少量の細胞を資生堂細胞加工培養センター(神戸市)で約1か月培養作製し、新たにDSC細胞として脱毛部位に注射する。注入されたDSC細胞は遊走し、毛包に取り込まれ、発毛に関わる毛乳頭細胞への分化を介して刺激が伝わり、太毛化が起こる。

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン