警戒すべきなのはやはり、手作りの凶器。山上容疑者は「最初は圧力鍋で爆弾を作ったが、関係のない人を巻き込むのでやめた。標的を絞りやすい銃を作った」と供述している。山上は安倍元首相への強い殺意から銃を選んだが、もし周囲の人を巻き込むことにためらいがなかったら、爆弾を凶器に選んでいたかもしれない。
「手製の銃は狙い撃ちこそできてしまいますが、何発も乱射するような銃を作るのは、技術的に不可能です。実際、今回の事件も無差別ではなく、宗教団体をめぐる怨恨から安倍さんただ一人を狙ったものだったからこそ、銃を選んだのでしょう。
銃より簡単に作れてしまうのは爆弾です。家庭にあるもので簡単に作ることができ、中に釘などを仕込んで殺傷能力を高めることもできる。仮に山上容疑者が爆弾を使っていたら、巻き添えを食う人が大量に出たはずです」
誰もが簡単に「殺人の道具」を作れることが日本中に知れ渡ったいま、懸念されるのは模倣犯による犯行だ。
「今回の事件をきっかけに、面白半分で凶器を作ったり、愉快犯的に有名人を狙うような事件が起きる可能性があります。特に手製の武器は、一つひとつの部品には違法性がなく、ホームセンターで購入しても怪しまれません。正直言って、手作りの武器を利用する模倣犯を防ぐことは非常に難しい」
今回の銃撃をきっかけに、令和が血塗られた時代となるかもしれない。
※女性セブン2022年8月4日号