スポーツ

大阪桐蔭まさかの敗北 センター・海老根優大「3年前に誓った目標」に届かず、次のステージへ

聖地でのバッティングでも存在感を見せた海老根(時事通信フォト)

聖地でのバッティングでも存在感を見せた海老根(時事通信フォト)

 春のセンバツ覇者で夏の甲子園も優勝候補筆頭とみられていた大阪桐蔭が、準々決勝で下関国際(山口)に敗退した。プロ注目の逸材が全国から集まる超強豪校だけに、高校卒業後の進路についても関心の的となる選手が数多くいるが、なかでも注目を集める一人が、3年前から“日本代表”に名を連ねていたセンター・海老根優大だろう。新刊『甲子園と令和の怪物』が話題となっているノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 大阪桐蔭が4対3とリードしていた9回表──1死二、三塁という下関国際の一打逆転のチャンスに、4番・賀谷勇斗の初球を打った当たりは二遊間を抜け、大阪桐蔭の中堅手・海老根優大の前に転がっていく。

 同点となる三塁走者の生還は防ぎようもない。だが、海老根の肩であれば、逆転となる二塁走者の生還は避けられるかもしれない──。試合前のシートノックでは、三塁や本塁への海老根の返球に甲子園の観衆から大きなどよめきが起きるほど彼の鉄砲肩は周知されているが、そうした高校野球ファン以上に、海老根自身が刺殺を確信していたはずだ。

 しかし、捕手・松尾汐恩へのワンバウンドの好返球も、判定はセーフ。内野陣が同点すら許さぬよう前進守備をとっていたため、二塁走者もスタートを切りやすかったのだろう。

 そして、4対5で迎えた9回裏の大阪桐蔭の攻撃で、海老根は1死走者なしの場面で打席に立った。外角低めのスライダーをすくい上げたレフトへの鋭い当たりは、フェンスの1メートル手前で下関国際の左翼手のグラブに収まった。

 9回の攻防において、逆転を許した返球も、窮地で立った最終打席も、ほんのわずか届かなかった。海老根は受け入れがたい現実に、いずれも呆然と立ち尽くした。

 昨年11月の明治神宮大会を含めた秋春夏連覇を期待された優勝候補の大本命・大阪桐蔭は、ベスト8で姿を消した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン