「全部投げ捨てて」オーディションに
京都府出身、23歳の弓木。そもそも彼女は一体どんな人物なのであろうか。そしてなぜ、乃木坂を目指したのか?
「乃木坂は、私が最初に好きになったアイドルグループなんです。ずっと『好きだな』という気持ちはあったものの自分の好きなことを誰かに否定されるのが怖くて、乃木坂46が好きということは誰にも言ってなくて、家でも密かに応援しているという感じでした」(『月刊バスケットボール』2022年6月号)
もともと3期生オーディションがあることも知っていたが、その時は「受けたい」という気持ちにはならなかったという。だが大学1年生のときに坂道合同オーディションが行われることを耳にする。19歳という年齢。これが最後のチャンスだと思い立ち、応募した。
2021年11月24日放送の『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でも、こんなことを語っていた。
「最後だしと思って『やりたい』というのがあったので、周りのこと何も考えてなくて、オーディションを受けるキッカケで大学も辞めてるんで、全部投げ捨てて(飛び込んだ)」と告白。大学を中退して自ら退路を絶ち、人生を懸けることに決めたという。
2018年8月、先の合同オーディションに合格するも、その間は研修生という形で研鑽を積むことに。乃木坂の4期生として正式加入したのは2020年2月。しかし直後、世界はコロナ禍に突入。緊急事態宣言が発令され、グループ自体の活動もままならない中で、自分の存在意義を模索していった。
今月31日、乃木坂46が発売する30thシングル『好きというのはロックだぜ!』で初の選抜メンバーに選ばれた弓木。
23歳209日での初選抜となった。それまでは元メンバーで2期生だった新内眞衣が初選抜の最年長記録のタイトルホルダーだった(2015年5月、23歳182日で12thシングル『太陽ノック』に初選抜)が、これを弓木が7年ぶりに更新した。
いずれにしても、以上挙げたバラエティー適正を見る限り、さまざまなバラエティに次々と呼ばれていてもおかしくないのだが、今のところそこまで多くはない。テレビ界でまだ彼女の存在に気づいていない人がいるのであれば、それはあまりにも、もったいない気がする。(ライター・飯山みつる)