肩まわりをゆるめるストレッチ

肩まわりをゆるめるストレッチ(イラスト/勝山英幸)

1回30秒のストレッチで血流が改善

 体にたまった余分なものを排出するには、もちろん運動も必要だ。だが、短期間で体重を落としたいからといって、激しいトレーニングを始める必要はない。急に激しい運動をしたり、サウナに長時間入ったりすると、必要な水分まで汗で失われて、脱水症状につながる恐れがあるからだ。

「そもそも、運動習慣がない人は、脳から筋肉に刺激を与える運動神経が少ないため、トレーニングをしてもすぐには充分な効果が得にくい。運動に慣れていない人は、1日15〜20分程度、息が切れないくらいの速さで7000〜8000歩のウオーキングを推奨します」(森さん・以下同)

 ウオーキングは腸を刺激し、便秘の解消にもつながる。また、軽いスクワットなどで無理なく下半身の筋肉を鍛えるのもおすすめだ。下半身には大きな筋肉が集まっているため、全身の代謝を上げ、効率よく脂肪を燃焼しやすい体に近づける。適度な運動は、自律神経のバランスを整え、睡眠の質を上げることにもつながる。睡眠中に分泌される成長ホルモンには脂肪の燃焼を促す効果があるため、質のいい睡眠も、ダイエットには不可欠なのだ。

 連日の猛暑で外に出るのもおっくうなら、家の中でできるストレッチで、体のゆがみを取るところから。森さんがおすすめするのは、肩と胸のストレッチだ。

「いま、自粛生活やリモートワークの影響で、猫背や巻き肩になっている人が増えています。猫背になると、胸の筋肉が縮んで呼吸が浅くなり、血液の循環が滞ります。肩から腕のつけ根にある大胸筋をゆるめることで呼吸が深くなり、血行を改善してむくみを取る効果が期待できます」

 座りっぱなしの状態が長いと、そけい部、つまり股関節まわりの血流も滞りがちだ。そけい部には特に太い血管が集まっているため、ほぐすことで全身の血流改善が見込める。

「ストレッチはいずれも、1日1回でかまいません。長時間のデスクワークの後などにおすすめです。寝る前に行うと寝つきがよくなるほか、朝起きたときに体がこわばるのを解消できます。また、お風呂上がりの体が温まっているときも、筋肉がほぐれやすいでしょう。体の組織に働きかけるには、最低でも30秒は伸ばす必要があるため、どちらのストレッチも、左右それぞれ30〜60秒は行うようにしてください」

脚やせ効果も狙えるストレッチ

脚やせ効果も狙えるストレッチ(イラスト/勝山英幸)

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