スポーツ

長嶋茂雄氏が語っていた“素っ裸で素振り伝説” 音は「パチンじゃダメ。プシュッがいい」

令和の時代にも私たちを元気にしてくれる“ミスタープロ野球”長嶋茂雄氏(写真/共同通信社)

令和の時代にも私たちを元気にしてくれる長嶋茂雄氏(写真/共同通信社)

 巨人の終身名誉監督である長嶋茂雄氏(86)が緊急入院したニュースに、多くのファンから心配する声が上がった。その後「命に別状はない」と報じられたが、ファンにとっては“ミスター”の元気な姿を早く見たいところだろう。長嶋氏が残した数々の逸話は、私たちを元気にしてくれる。そんなミスターの伝説を振り返ろう。【全4回の第4回。第1回から読む

 本誌・週刊ポストで2014年7月からスタートした連載『巨人 V9の真実』では、“カネやん”こと金田正一氏を含むV9戦士の証言に加え、ライバル球団の主力選手が登場。全員が長嶋氏に言及していたことが印象深い。

 金田氏は「ワシは(国鉄時代から)ONをバックに投げてみたいという夢を持っていた。顔を合わせるたびに、“一緒にやりたいな”と話していた」と振り返っている。

 スター軍団の巨人にあって、長嶋氏は一際輝いていた。ONの後ろを打ち、“史上最高の五番打者”と言われた末次利光氏はこう話している。

「長嶋さんは突拍子もないことをしでかす。1球に対する集中力が凄くて、少々のボールでも振ったらホームランにしてしまう。そして、長嶋さんが打つと球場全体が他とは違う盛り上がりになる」

 南海で活躍した野村克也氏(2020年に他界)は、ONを「ひまわり」、自身を「月見草」と表現したことが有名だが、同連載の取材ではこんな言い方をしていた。

「長嶋は紛れもない強打者であり、天才打者だった。正直、私には感覚的なバッティングの長嶋の攻略法がわからなかった。王は封じ込めることができた。でも、長嶋は最後までわからなかった」

 不世出の名捕手も舌を巻く天才であったことが率直に表現されている。

 同連載にはその長嶋氏本人も登場。そこで明かしたエピソードもあまりに個性的だった。V9時代に“素っ裸”で素振りに励んでいたという“伝説”について、長嶋氏はこう話していた。

「ワンちゃんはパンツ1丁だが、ボクはフリチンだった。フリチンでなければ、上半身と下半身のバランスがわからない。いいスイングは下半身がクッと締まる。下半身がいいってことは、上半身もいい。下半身が小さく静かな状態で動かないとダメ。大きく激しく動いて、あそこが太ももに当たる音がパチンじゃダメなの。プシュッと当たらないといけない。上半身と下半身のバランスがいいとそんな音がする。もちろん夏場の話ですよ。冬は寒いからね(笑)」

 長嶋氏のペースで進んだインタビューで興味深かったのは「走攻守では守備が一番楽しいというか、好きだった」と明かしたことだった。

「長嶋茂雄といえば打撃を頭に浮かべるファンも少なくないと思うが、打撃は瞬間の動き。考えたり工夫したりしたことを表現しにくいが、守備はやりやすい。つまりファンに喜んでもらうプレーができる。ゴロを捕って、ワンちゃんに送球したあとに右手をヒラヒラとやったりね。ダッシュしてゴロを捕り、それをサッとファーストに投げる。この一連の流れがなんとも言えず好きだった」

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン