国内

【旧統一教会・追及座談会】私たちが受けた「信者からの尾行・撮影・嫌がらせ電話」

教団関係者に尾行されることも度々だったと語るジャーナリストの鈴木エイト氏

教団関係者に尾行されることもあったと語るジャーナリストの鈴木エイト氏

 安倍元首相の銃撃事件から3か月弱、政治家との関係から2世信者の被害まで、様々な問題が浮き彫りになっている旧統一教会問題。その解明の最前線に立つ紀藤正樹氏(弁護士)、鈴木エイト氏(ジャーナリスト)、塚田穂高氏(宗教社会学者)の3人が、これまでの闘いの日々や今後について語り合った。【前後編の前編】

 * * *
塚田:地方の大学で宗教と政治の関係やカルト問題などを研究しています。安倍氏の事件後、巻き込まれるような形で統一教会関係の取材や発信が増えました。エイトさんからは10年以上前から統一教会と政治の問題を教えてもらっていました。

鈴木:事件前までは、多くのメディアから「教団名を出さないでくれ」「カルトという言葉を使わないように」と散々注意されてきました。だから今、テレビのアナウンサーが統一教会を名指しして批判するというギャップにちょっと驚いています。ただこれまで統一教会を取り上げてこなかった悔恨から、今度こそきちんと報じようというメディア側の熱意もすごく感じます。

 紀藤先生も30年以上、弁護士という立場から統一教会がもたらす被害に警鐘を鳴らしてきましたよね。

紀藤:1992年の合同結婚式騒動の時も、最初は統一教会を批判する報道がほとんどなく、擁護的なニュースが多かった。合同結婚式が終わってから統一教会批判が増えたんです。今回も僕らやメディアがひとつひとつ事実を積み上げていくことで、世の中の流れが変わりつつあると思う。

鈴木:塚田さんは大学に所属しながら、このリスクのある新宗教問題に取り組み続けている。実情と紐付けて研究を続けている学者さんはほとんどいませんよ。

塚田:もとは霊感商法対策弁連の集会などで被害者家族が苦しむ姿を見て衝撃を受け、この問題を看過できないと感じました。学者は従来、「中立」で「客観的」であることがよしとされてきました。ところがオウム真理教事件の際、そうした姿勢が通用しないばかりか、教団の言い分を垂れ流し「擁護」するような醜態をさらしてしまった。

 同じ轍を踏んではいけないという危機感もあります。被害や問題に目を向け、教育の場でもカルト問題をどう伝えていくべきか実践しています。おかげで学界では「切り込み隊長」扱いですが。

紀藤:大学の先生がこの問題に取り組むことは、本当にありがたいことなんですよ。弁護士事務所などと比べれば大学のセキュリティは高いとは言えず、手厚く守ってくれるわけではありません。そのリスクを抱えながら発信してくれることに感謝しています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン