さまざまな経済系メディアなどにも取り上げられてきた渡辺社長(テレビ東京の公式YouTubeチャンネルより)
「老舗和菓子屋の跡取りとして、お菓子作りというよりも現代的なビジネスのやり方を学んできた方です。立教大学の経済学部を卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)で働き、1993年に満を持して船橋屋に入社しました。かなり合理的な思考をされる方なので、昔ながらの職人たちとは頻繁に揉めていましたが、『6代目も7代目も養子。8代目の自分は、家つきの息子だから怖いものはない』という精神で改革を推し進めました。
ただ、渡辺社長も当時の自分のやり方には“暴君だった”と強引な経営姿勢を反省する部分もあったようです。それからは社内環境を良くすることを重視するようになりました。ちなみに座右の銘は、『われ以外皆わが師』だそうです」(船橋屋の元社員)
かつて渡辺社長はインタビューで、入社直後にあたる1990年代半ばの自身の強硬な方針に職人が反発し「気づいたら8割が辞めていました」「『お前らはダメなんだ』としょっちゅう罵倒していて」と明かしていた。
渡辺社長の事故に対して批判の声が殺到した結果、9月27日18時現在、船橋屋のホームページはダウン。事故映像に映る男性が本当に渡辺社長なのかを船橋屋に問い合わせたところ、「社内でも確認中のため、現時点ではお答えできない」とのコメントが返ってきたが、その後、公式に認めた形となった。
なお、渡辺社長は過去に出演したYouTube番組で、車の運転中はクラシック音楽をよく聴くとして、このように魅力を熱弁していた。
「運転のときに“ながら”でピアノの音を聞くだけで全然違うんですよ、下りたときの心の安定感が」
事故当時は心の安定感が得られていなかったのだろうか。