国内

劣勢の神戸山口組、かつて決別した組織との“反六代目”三派同盟を画策

神戸山口組の井上邦雄組長(時事通信フォト)

神戸山口組の井上邦雄組長(時事通信フォト)

 山口組分裂から7年を迎えた。押され気味の神戸山口組だが、生き残りをかけてかつて決別した組織との同盟を模索していることが、波紋を呼んでいる。

 9月9日、神戸山口組と池田組が対等な立場で親戚関係を結んだと傘下組織に通達した。池田組は2020年7月に神戸山口組を脱退、独立組織として活動しているが、神戸山口組の井上邦雄組長と池田組の池田孝志組長は良好な関係といわれている。

「問題は池田組と一心同体にある絆會(旧・任侠山口組)とも、神戸山口組は協力するのかという点です。絆會の織田絆誠会長は2017年4月に神戸山口組を脱退して組織を結成したが、2回にわたって記者会見を開き、神戸山口組の内情を暴露しただけでなく、井上組長に個人批判まで行なっている」(全国紙社会部記者)

 2回目の会見から約2週間後の2017年9月12日、事件が起きる。神戸市内の路上で神戸山口組傘下組織組員が織田会長を襲撃。白昼の住宅街に銃声が鳴り響き、ボディーガード1人が銃殺された。この因縁があるなかでの親戚関係締結だったため、3組の関係に注目が集まっている。

「絆會は毎年、射殺されたボディーガードの命日に供養を行なっていますが、今年は神戸山口組と池田組の幹部も姿を見せた。この様子から神戸山口組と絆會も雪解けムードであり、今回の親戚関係は対六代目山口組への“三派同盟”とみられている」(同前)

 神戸山口組は池田組や絆會だけでなく、中核組織だった山健組が離脱するなど構成員数を減らしている。今年8月には井上組長が腹心の寺岡修若頭を含む幹部3人を絶縁にしている。これが窮状打開の一手となるのか。フリーライターの鈴木智彦氏が語る。

「今年74歳を迎えた井上組長ですが、80歳までは戦い続けるという意志を示しているといいます。が、もはや暴力団社会では孤立無援です。致し方なく、同盟するしかなかったともいえる。

 いくつもの問題を棚上げし、遺恨をそのままに、殺した側と殺された側が呉越同舟するのですから異例中の異例で、今後どうなるかは不透明です。この同盟をめぐり、神戸山口組の有力組織・宅見組が脱退したとの情報もあり、いつ分解しても不思議ではない。六代目山口組も切り崩しや暴力事件で揺さぶってくるでしょう」

※週刊ポスト2022年10月7・14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン