セ・リーグのCS(クライマックスシリーズ)進出を巡る戦いが熾烈を極めている。阪神、巨人、広島が3位を目指して負けられないゲームを続けている。その行く末については、広島の元監督で野球評論家の達川光男氏も「(開幕前の)順位予想より難しいんじゃないか」と話している。
阪神が残り1試合(ヤクルト戦=10月2日)、巨人が残り2試合(DeNA戦=10月1日、2日)、広島3試合(ヤクルト戦=9月29日、30日、中日戦=10月2日)となっている。スポーツ紙デスクが説明する。
「順位は勝率で決まるが、同率で並んだ場合は順に1:勝利数、2:当該球団間の対戦勝率、3:リーグ内の勝率、4:前年順位で決まっていく。3球団が残り試合をすべて勝てば、69勝71敗3分けという全く同じ成績で並ぶことになる。このケースでは、『リーグ内の勝率』によって広島が3位になります。2チームが勝率で並ぶケースを想定すると、同じく『リーグ内の勝率』によって阪神・巨人なら阪神、広島・阪神なら広島、巨人・広島なら巨人がCS進出となる」
直接対決が残っていないため、ライバル球団が負けることを期待するシナリオにもなってくる。しかも、対戦相手にもそれぞれ“事情”があり、それが話を複雑にしていると達川氏は言う。
「カープは全部勝ちたいと思っているし、ジャイアンツは阪神がこけてくれたらいいと思っているし、阪神はカープがこけてくれたらいいと思っている。難しいよね。結論は野球の神様にしかわからんよね。阪神はヤクルトとの対戦だけだが、相手は優勝が決まっているのでサンタナを抹消し、塩見(隆奏)や山田(哲人)にも無理をさせていない。オスナについては、村上(宗隆)のホームラン記録のために後ろを打たせているが、投手陣もエース級が出てくるわけではなく、阪神が負ける要素がないよね。
カープもヤクルトとはマツダスタジアムで2試合残しているが、これも勝てると思う。最下位の中日とは最終戦で当たるが、大野(雄大)を抹消したので根尾(昴)を先発させるようだ。首位打者争いをしている大島(洋平)も村上に8毛差(9月27日時点)なので状況次第で試合に出さずに休ませると思う。そうなればカープが3連勝する可能性も高そう。
一方のジャイアンツはDeNAと2試合残しているが、相手は2位が決まっている。最終戦の次の土日(10月8日~)にはCSが始まるため、投手陣に無理をさせないのではないか。タイトルが争いでは山崎(康晃)のセーブと佐野(恵太)の最多安打があるくらい。今永(昇太)あたりは規定投球回数まであと6回3分1なので出てくるかもしれないが、そうなるとCSまで中5日になってしまうから投げないかもしれない。ジャイアンツ2連勝の可能性もそれなりに見込めそう」