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年間2万4000円以上のNHK受信料 引き下げ方針にイラネッチケー開発者「スクランブル化を」「ネット受信料につながる懸念」

NHK受信料の必要性が問われている(写真/時事通信フォト)

NHK受信料の必要性が問われている(写真/時事通信フォト)

 NHKは来年10月から地上波放送の受信料を月に数十円、衛星放送も受信できる世帯の受信料を月に200円引き下げる方針だと報じられた。10月11日に最高意思決定機関である経営委員会に提案されるという。今年6月にはNHKの収入の一部をプールして値下げの原資とする案などを盛り込んだ改正放送法が成立している。それを踏まえた具体的な値下げの内容が表に出たかたちだ。その一方で、正当な理由なく受信契約を行なわない世帯への割増金制度も導入され、「徴収強化」への反発の声も少なくない。

 今回の値下げ報道について、NHKを受信しないようにするテレビ用フィルター機器「IRANEHK」(イラネッチケー)の開発者で筑波大学システム情報系准教授の掛谷英紀氏が指摘する。

「これまでも主張してきましたが、受信料を下げるよりもNHKを見たくない人は見なくていいように、契約者だけが視聴できる『スクランブル化』をするべきだと私は考えます。しかし、テレビ離れが進む今、スクランブル放送になれば契約者数は確実に減る。NHKとしては視聴者に『見る・見ない』の選択肢を与えることは避けたいのでしょう。

 さらに、私が危惧しているのは、引き下げがネットからもNHK受信料を徴収していく布石になってしまうのではないかということです」

 NHKの受信料を巡ってはこれまでも、カーナビ設置だけで受信料を徴収できるかどうかを争った裁判やイラネッチケーを取り付けてNHKを受信できない世帯と争った裁判でいずれもNHK側が勝訴するなど、受信料徴収の強化が進められてきた流れがある。

 さらに9月21日、総務省はインターネット事業の拡大やネット時代のNHK受信料制度についての初会合を行ない、SNSを中心に「ネットやスマホからも徴収する気では」という懸念の声も聞かれる。昨年9月に公表された日本新聞協会メディア開発委員会の意見書では、インターネット活用業務について〈NHKは将来の「ネット受信料」導入まで視野に入れて社会実証を行うと企図していると指摘せざるを得ない〉といった記載がなされ、NHK側が会見などで否定してきた経緯がある。

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