芸能

朝ドラ『舞いあがれ!』祖母役・高畑淳子の凄み 伝わってくる「演技への愛情」

(時事通信フォト)

「感動シーンは前触れなく訪れる」(時事通信フォト)

 新たなNHK朝ドラがスタートした。現在放送中の第2週は、長崎県の五島列島を主な舞台に、主人公の子供時代が描かれている。両親役の永作博美と高橋克典をはじめ多彩なキャストが出演するなか、ドラマオタクのエッセイスト小林久乃氏は、ひとり五島に暮らす祖母を演じる高畑淳子(68)に注目。その魅力について綴る。

 * * *
 朝ドラ『舞いあがれ!』が始まった。第3週以降はヒロイン・福原遥をはじめとする、横山裕(関ジャニ∞)、赤楚衛二、目黒蓮(Snow Man)らも続々と顔を見せる。

 現在、子役らが活躍をする第2週「ばらもん凧、あがれ!」が放送中。もちろん朝ドラらしい、煌びやかな面々が登場している。その中でも誰もが目で追ってしまうであろう存在感を放っているのは、女優の高畑淳子さん。言わずもがな、ではあるが、この人の演技はドラマ全体をキュッと引き締める。今、祖母役として出演しているうちに皆さんにも注目をしてほしい。

豪放磊落な田舎のおばあちゃん

 まずは『舞いあがれ!』の簡単なあらすじを紹介したい。

 岩倉舞(福原遥/浅田芭路)は、東大阪市に生まれ、小学校低学年まで育つ。熱を出しやすい体質で、学校も休みがちだが、病院に通っても原因は不明。心配した父・浩太(高橋克典)が、母・めぐみ(永作博美)の実家、長崎県の五島列島で生活することを提案。母娘で向かったのは、舞が初めて会う祖母・才津祥子(高畑淳子)のもと。祥子はつい過保護になっているめぐみ、それに伴う舞のストレスに気づき、めぐみを大阪に戻す。祖母と孫、ふたりきりの田舎生活が始まった──。

 高畑さんが演じているのは、ヒロイン・岩倉舞の祖母。これから成長して、飛行機に憧れていく孫を見守っていく。いや〜……第1週からとんでもなく、良かった。何がかと言えば祥子の存在だ。ずっと母娘の間にあった“原因不明の体調不良”。ふたりの距離感を狂わせて、極度の心配性になっていたことをつぶさに察知をして、ふたりを敢えて離した。

「めぐみ、帰ってくれんね。帰らんね。(中略)舞は預かるけん。あんたが舞を心配しすぎてる」

 それを受け入れためぐみも、どこかで誰かにそう言って欲しかったのだろうと思う。舞もまた同じ気持ちでいた。こんな愛情あふれる祖母を、高畑さんは演じている。

 見た目は完全に五島列島の住人。長靴を履いて、大股で歩く。船も軽自動車も軽やかに運転して、畑仕事にも精を出している。まさに豪放磊落といった、田舎のおばあちゃん。近所の住民とのコミュニティーも良好、余りそうになった収穫物を使ってジャムを作って、販売。地方の過疎化が叫ばれている中、まるでお手本のように元気に暮らしている。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン