勝さんが自ら設立した事務所「勝プロ」が約12億円の負債を抱えて倒産したのは1981年。追い打ちをかけるように翌年、Aさんと鴈龍さんが大麻の密売で逮捕される事件もあった。
「当時、会見を開いた玉緒さんは『罪は憎いが、子供は憎めない』と親心を吐露しましたが、のちに『子供たちに贅沢をさせて甘やかしすぎてしまった』と後悔の念を口にしています」(玉緒の知人)
1990年には勝さんがコカインをハワイに持ち込んで逮捕される事件が日本中を騒がせた。
「玉緒さんはのちに空港の税関で『大麻は入ってまへんで』とジョークを言うほど吹っきれていましたが、当時は家族が全員、警察の事情聴取を受けるなど大変な思いをしました。違約金でまたしても億単位の借金が降りかかり、あの頃の玉緒さんが手がつけられないほど荒れていました」(前出・玉緒の知人)
勝さんが亡くなった後に残されたのは14億円の借金。それでも玉緒は債権者に頭を下げ続け、自己破産することなく自力で完済した。
「勝さんの墓参りに来た愛人を見て『パパさんの恋人、きれいでっしゃろ』と周囲に語ったという逸話もあります。結局勝さんのことは『ズルいけど憎めない』のだそうです」(前出・玉緒の知人)
近年もインタビューなどで玉緒は勝さんへの思いを明かしている。
《苦労は絶えませんでしたが、私は生まれ変わっても主人と結婚したいと思っています。
思い出はいつも優しく心に寄り添ってくれるんです。2人の子どもに恵まれ、家族4人でいろいろなところへ行きました。(中略)あれが幸せでなくてなんだろうと心がほっこりしてくる。すると私の人生は素晴らしいと確信することができて、生きる力が湧いてくる》(「婦人公論」2021年12月14日号)
「ぜんぜん。大丈夫ですよ」
いま、玉緒がもっとも信頼を寄せる人物は勝さんの付き人だった松平健(68才)だ。
「いまも玉緒さんを『奥さん』と呼び、仕事のなかった鴈龍さんを自分の舞台にキャスティングしてくれたのも松平さんでした。玉緒さんは年に数回、松平さんと食事をすることを何よりも楽しみにしているそうで、今年の12月には2人でトークショーを行う予定もあるそうです」(前出・玉緒の知人)
かつてのように舞台に立つことは年々難しくなっているが、前述のYouTubeのパチンコ番組だけは欠かさずに出演するという。
「仕事のときの玉緒さんはスイッチが入り、矍鑠とされています。ただ、普段はひとりで自宅にこもりきりで、最近一気に老け込んだという声も聞こえます。実はAさん夫婦もそんな状況を心配して、頻繁に玉緒さんの自宅を訪れているそうです。それでも会うことはかなわず、パチンコの軍資金やたばこ代として一万円札を数枚そっと置いていくのだとか」(前出・Aさんの知人)