『鎌倉殿の13人』主人公・北条義時を演じる小栗旬(時事通信フォト)
長時間特番でライバルをブロック
他局のテレビマンたちから警戒されている3つ目の理由は、日曜夜は長時間特番が仕掛けやすいこと。在宅率が高く、夕食の時間帯が早くなりやすい日曜夜は、18時台からの仕掛けに効果が期待できるため、他局に先駆けての放送が可能になります。
実際、18日の放送は、18時30分~21時30分の3時間特番。日本テレビ系の『ザ!鉄腕!DASH!!』、テレビ朝日の『ナニコレ珍百景』、TBS系の『坂上&指原のつぶれない店SP』、フジテレビ系の『ジャンクSPORTS SP』より30分早くスタートすることで、「19時を過ぎてもみてもらえる」という可能性が浮上しますし、21時を超えて21時30分まで放送することで、TBS系の新ドラマ『日曜劇場 アトムの童』の視聴を防ぐという狙いも可能になります。
ちなみに『世界の果てまでイッテQ!』と『ポツンと一軒家』も、今回は21時台まで放送する2時間特番。これも『日曜劇場 アトムの童』の視聴を防ぐという狙いがあるなど、長時間特番をめぐる日曜夜の争いは熾烈なのです。
2017年からテレビ東京の日曜夜を支えてきた『池の水ぜんぶ抜く』の放送ペースが数か月に1度程度に減少しました。そんな背景がある中、「新番組ではなく看板番組で勝負する」という戦略が選ばれたのは、やはり「どんなにライバルが強くても勝算がある」からであり、少なくとも「続けていれば大負けすることはなさそう」と見ているのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
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林修が司会の『ポツンと一軒家』
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