芸能

『鎌倉殿の13人』最終盤、源実朝暗殺はどう描かれるのか? 史実では「単独犯行説」が有力

源実朝を演じる柿澤勇人(C)NHK

源実朝を演じる柿澤勇人(C)NHK

 12月18日の最終回まで、残り10話を切った大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。御家人同士・身内同士の権力闘争が続く物語の最終盤に残された“謎”を歴史学者らが徹底解説する。

 10月9日に放送された特番『鎌倉殿の13人 応援感謝! ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~』(NHK)では、出演者や脚本の三谷幸喜氏らが最終回に向けた今後の見どころを語った。

 主人公・北条義時を演じる小栗旬は番組冒頭、こう口にした。

「今日は鶴岡八幡宮の大階段のところを撮影しておりまして。(撮影現場では)雪が降っております」

 鶴岡八幡宮と言えば、ドラマの山場と予想される鎌倉幕府の一大事件が起きた場所だ。

 3代将軍・源実朝(柿澤勇人)の暗殺である。

 実朝は右大臣に就任することを神に報告する拝賀のため、鶴岡八幡宮を訪れる。雪が降り積もった夜、実朝が拝賀を終えて退出しようとした時、前将軍頼家(金子大地)の遺児・公暁(寛一郎)に殺害されてしまうのだ。

 鎌倉時代に詳しい歴史学者の細川重男氏は、「暗殺の瞬間には、義時は現場にいなかった」と語る。

「『吾妻鏡』によれば、義時は御剣の役(剣を持って付き添う役)として実朝に同行します。しかし急に体調が悪くなったため源仲章(生田斗真)に代わってもらい自宅で休んでいる時に、実朝・仲章が殺害された知らせを受けたとされる」(同前)

 実朝暗殺には「公暁単独犯行説」のほか、「義時黒幕説」「三浦義村(山本耕史)黒幕説」「義時&三浦義村の共謀説」「後鳥羽上皇(尾上松也)黒幕説」など諸説あり、謎が多い。

「作家の永井路子さんの小説『炎環』では、『義村黒幕説』が描かれています。公暁の乳母夫である義村が、実朝と義時を殺して公暁を将軍に担ぎ上げ、自分が権力を握るつもりだった。しかし義時が急遽仲章と役を替わったために計画が失敗したことを知ると即座に態度を変え、公暁を抹殺したというストーリーになっている」(細川氏)

『鎌倉殿』ではどの説を元に実朝暗殺事件が描かれるのか。

「どの説でも黒幕にあまりメリットがないので、実際には公暁の単独犯行だったと思います。しかし今回の大河では義時が悪役として描かれているので、『義時黒幕説』をとることも考えられる。武士だけの政権を作るためには実朝と源仲章が邪魔だと思い、裏で手を引いて2人を消し去るという展開ですね」(細川氏)

関連記事

トピックス

オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
サッカー界のレジェンド・釜本邦茂さんが「免許返納」密着取材で語っていた「家族に喜んでもらえることの嬉しさ」「周りの助けの大きさ」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
中学生記者・川中だいじさん(14)が明かした”特ダネ”の舞台裏とは──
「期末テストそっちのけ」中学生記者・川中だいじさん(14)が抜いた特ダネスクープの“思わぬ端緒”「斎藤知事ボランティアに“選挙慣れ”した女性が…」《突撃著書サイン時間稼ぎ作戦で玉木氏を直撃取材》
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト