芸能

『ラスト サムライ』キャスティング・ディレクターが明かす「一発OKだった福本清三さん」

“斬られ役”として有名だった福本清三さん(C) 2004 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

“斬られ役”として有名だった福本清三さん(C) 2004 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 映画『ラスト サムライ』で大きな衝撃を受けた配役として、これまで京都で撮影される東映時代劇で斬られ役一筋で生きてきた福本清三さん(2021年に77歳で死去)が、大役で抜擢されたことが挙げられる。キャスティング・ディレクターの奈良橋陽子氏に、福本が抜擢された経緯について、映画史・時代劇研究家の春日太一氏が聞いた。

 * * *
奈良橋:いろいろと配役が決まっていった最後に、監督が「もう一つ役があるんだ」って言うんです。「サイレントサムライ」という、ひと言も話さない役を入れたいと。その役が清三さんだったんです。

――奈良橋さんは福本さんを既にご存じだったのですか。

奈良橋:はい。絶対に彼を応援したいと思っていたんです。その時は私も監督に信用してもらえていたので、清三さんを推薦したら、もう彼だけ一発OKですよ。

「この人がいいと思う」ということで、こちらでプレゼンテーション用にテープを撮っていたんですよ。何度も清三さんに斬られて死んでもらったりして。それを監督に送ったら、「オッケー!」って。

 清三さんは、私の中ですごく大事にキープしていたんです。これぞというタイミングがあった場合は推薦しようと思って。すると、「まさに」の役柄の話が来たわけですからね。もう「神さま、ありがとう」って思いました。私、他の俳優の選択肢は用意していませんでした。

 真田広之さんも彼を応援していて、「すごく嬉しかった」と言ってましたね。

――真田さんと福本さんは東映で長いお付き合いですからね。

奈良橋:そう。清三さんに決まったことは、本当に多くの人に喜んでもらえました。そういう喜びがキャスティングにはあるんです。

 ずっと努力をして、それでも日の目を見ない方にチャンスが来る。これは、キャスティングをやっていての、大きな喜びですね。

 ハリウッド映画にはなぜそういうチャンスがあるかというと、アメリカの監督やプロデューサーは日本人の役者についてあまり詳しくないんですよ。だから、「この人は売れている人かどうか」という目で見ないんですよね。

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左・共同通信)
《熊による本格的な人間領域への侵攻》「人間をナメ切っている」“アーバン熊2.0”が「住宅街は安全でエサ(人間)がいっぱい」と知ってしまったワケ 
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン