FA移籍しても1軍で活躍できず、ファーム暮らしが続くケースが近年は少なくない。過去にFA宣言をした他球団のある主力選手は移籍先に巨人を選ばなかった。巨人でプレーすることに憧れを抱かなかったのか。この疑問に対し、即座に否定した。
「ないですね。巨人はベンチの雰囲気が重い。原監督やコーチ陣の顔色を気にして野球をしているように感じられた。契約で好条件を提示されるかもしれませんが、あの中に入ってプレーしたいとは思いません」
実際にFA宣言して、巨人からのオファーを断わるケースが近年は珍しくない。2019年オフに美馬学(ロッテ)、鈴木大地(楽天)がFA権を行使した際、巨人が獲得に乗り出したが、断わられている。メディアで報じられないものの、FA権を行使した選手に水面下で交渉を行なった結果、断わりを入れられたケースもあるだろう。
そもそも、FA補強でチームが強くなるという発想が時代遅れなのかもしれない。今年の日本シリーズで熱戦を繰り広げたヤクルト、オリックスで中心選手たちは生え抜きばかり。現有戦力の底上げに心血を注がない限り、覇権奪回は望めない。
山口は戦力外に(写真/時事通信フォト)
巨人で思うような結果が残せなかった井納翔一(左)と梶谷隆幸(2020年12月。時事通信フォト)
近年のFAで当たりと言えるのは丸佳浩のみか(時事通信フォト)