──肥満というのは何がダメなんでしょうか?
「具体的にはわかっていませんが、女性ホルモンの量が多いということが関係しているのではないかといわれています。女性ホルモンは脂肪に蓄積されますので、脂肪が多いかたは女性ホルモンの量も多いと考えられますから」
──卵巣がんでは、どういう症状を訴えるかたが多いですか?
「いちばん多いのは『お腹が張ってきた』という腹部膨満感です。これがいちばん多い兆候で、卵巣そのものが膨れているだけでなく、腹水がたまってきている可能性もあります。
そのほか、食欲がなくなったとか、体重が減ったというのも兆候の1つです。これは一般的に悪性腫瘍の症状の1つでもあります」
──検査方法は?
「血液検査である『腫瘍マーカー』もありますが、卵巣がんを早期発見するのに最も有効なのは『経腟超音波検査(エコー)』です。痛みはなく、問診と合わせて10分ほどで終わります。
超音波検査は、通常は腟から器具を入れて撮影しますが、性体験がないかたや経腟検査が苦手なかたには、直腸内やお腹の上から超音波を当てることも可能です。局部からの診察が難しければMRI検査を行うことも可能です。腫瘍マーカーやMRIを行っても、1週間以内には結果が出ます。
費用は自治体によって異なります。大阪市では卵巣がんの公的検診は実施されておらず、自己負担になります。たとえば当院の場合、大阪市子宮頸がん検診と同時に超音波検査を行うと、1500円かかります。ただし、場合によっては健康保険を適用できることもあります」
──検査すべき年齢は?
「排卵の回数を重ねた40代以降は卵巣がんの確率が上がるため、40才からは半年間隔での検査を推奨しています。40代で進行した卵巣がんが見つかり、小さなお子さんを残して亡くなるというつらいケースを何度も見てきました。不調を感じたらすぐに病院に足を運びましょう。頻繁に超音波で状態を確認すれば、早期発見しやすくなると思います」
※女性セブン2022年11月24日号
検診を受けない理由は?