終戦時もコロナ時も催行、江戸時代から脈々と続く例祭
酉の市は、商売繁盛や開運の神とされる日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る鷲神社ほか関東の寺社を中心に開催される。11月に入り最初の酉の日が「一の酉」、次が「二の酉」。酉の日の周期は12日ごとなので、2022年のように「三の酉」まで揃う年もある。
熊手が売られるのは、酉の市の起源である収穫祭にちなむ。江戸時代には農具として実用的な熊手が売られていたものが、次第に縁起担ぎの熊手へと進化した。
天災、戦乱、流行り病など祭事の自粛を求める動きは頻繁に起こるが、浅草の酉の市だけは中止を回避してきた。縁起物を扱う者たちの「つらいときこそ希望を」との心意気が、江戸時代から継承されている。