ハワイのカリスマコーディネーター、マキ・コニクソンさん(左)とホノルルの『ARS CAFE & Art Gallery』で個展(11月27日~2023年1月15日)を行うアーティストの小野裕人さん
ハワイには、お金に換えられない魅力がある。マキさんが最近、ハワイで出会った人たちにも、帰国後にがん治療が待っている60代の女性や、過労で休職することになった30代の女性会社員など、心身ともに行き止まりを感じている人たちがいた。だが、ハワイで過ごすうちに強ばっていた表情がやわらぎ、必要以上に悩まなくてよいと思えるようになった、と話をしていたという。ハワイと、そこで暮らす人たちが醸し出す独特のおだやかな空気に包まれて過ごすうちに、体や心から不自然な力が抜けたのかもしれない。
そして、アーティストの小野裕人さんは「円高、物価高でまだ海外進出を躊躇する人も多い今だからこそ」と、ハワイの『ARS CAFE & Art Gallery』で11月下旬から個展を開く決断をした。
「コロナ禍の間はSNSを中心にアート作品の動画を発信していましたが、以前のように海外渡航が自由にできるようになったら、先陣を切って海外で絵画の個展を開きたいと考えていました。開催場所はまず、日本人にとってなじみがあって行きやすい大好きなハワイにしたかったんです。チャレンジしたい気持ちを半年くらい前からマキさんに伝えていました」(小野さん)
小野さんから相談を受けたマキさんは、「この時期にハワイで、という心意気を聞いてぜひ応援したいと思いました。紹介した会場は、現地のアート好きも日本からの観光客も多く訪れる人気スポットです。そこのオーナーさんも、大変な思いをしてきたのを知っているので、一緒に盛り上がっていければと思っています」と話す。
おだやかに訪れる人を癒やしつつ、時勢の波にも負けない力強さも感じられる場所として、やはりハワイの魅力は尽きない。
変わらないハワイの空気が人々を癒す。
文/横森綾 撮影/Kojitoki