芸能

朝ドラ以外にも増加する「帯ドラマ」は「TV見ない人にドラマを見せる“作戦枠”」 

個性的な風貌も魅力

『差出人は、誰ですか?』に出演中の柄本時生

 同じ時間帯に毎日放送される「帯ドラマ」。近年、「朝ドラ」以外にも放送されるケースが増えている。その理由とは? コラムニストのペリー荻野さんが分析する。

 * * *
 近年、「帯ドラマ」が存在感を増している。その代表といえば、60年以上の歴史を誇るNHKの朝ドラだ。今年も『カムカムエヴリバディ』から始まって、沖縄と東京を舞台にした『ちむどんどん』、現在の『舞い上がれ!』と、時代もスタイルもまったく違う三作が出そろった。

 NHKでは、今春スタートした月曜日から木曜日の「夜ドラ」も奮闘中。井上祐貴、桜田ひよりらが出演した第一弾の青春ミステリー「卒業タイムリミット」に始まり、BSプレミアム・BS4Kで話題を集めた『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』、平凡な住宅地に逃亡犯が?という騒ぎを描いた『つまらない住宅地のすべての家』など、ミステリー、SF、人情ドラマなどさまざまな作品が放送されている。

 中でも、元キャバ嬢のシングルマザー山崎亜子(仁村紗和)が、尼崎の実家に戻って宅配の仕事を始める『あなたのブツが、ここに』は、涙と笑いを盛り込みながら、コロナ禍や母子関係、激しいクレームやパンツ一丁で受け取りに出てこられたりする宅配業のリアルが描かれた秀作だった。

 油断できないのが、日本テレビ系の『ZIP!朝ドラ』だ。7時50分くらいから5分という放送時間ながら、中身は濃い。錦鯉の若き日々を描いた『泳げ!ニシキゴイ』では、娘(長谷川雅紀の姉・片山友希)の大学受験料をパチンコに使って、人生に絶対(勝てる)はないと勉強になったなどと言うダメ親父・純一(シソンヌじろう)も困りものだが、「父ちゃん、勉強したんだね」とか言い出す長谷川って。朝から口あんぐりなんてこともあった。今は高校生の合唱コンクールを描く『クレッシェンドで進め』が放つ青春のピカピカがまぶしい日々である。

 そして、深夜帯では、TBS『よるおびドラマ』枠で『差出人は、誰ですか?』が放送中だ。高校の国語教師(柄本時生)がはじめた「手紙ゲーム」により、主人公の美月(幸澤沙良)はじめ、高校生たちの恋心、疑惑、生きづらさ、本音が暴露されていく。SNSの時代にあえて手紙。一話15分のドラマだ。

 民放の帯ドラマは、13時台に通称「昼ドラ」としてフジテレビ系とTBS系で60年代から長く放送されていたが、2016年春に終了。テレビ朝日系で2017年、倉本聰脚本の『やすらぎの郷』で昼帯劇場が始まり、中断をはさんで2020年春に終了していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝の番組卒業から1年》中丸雄一、『旅サラダ』降板発表前に見せた“不義理”に現場スタッフがおぼえた違和感
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)の“過激バスツアー”に批判殺到 大学フェミニスト協会は「企画に参加し、支持する全員に反対」
NEWSポストセブン
主人公・のぶ(今井美桜)の幼馴染・小川うさ子役を演じた志田彩良(写真提供/NHK)
【『あんぱん』秘話インタビュー】のぶの親友うさ子を演じた志田彩良が明かすヒロインオーディション「落ちた悔しさから泣いたのは初めて」
週刊ポスト
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応
週刊ポスト
どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン