日を跨ごうとしている11月23日の深夜、劇的な大金星に興奮したサポーターたちが渋谷スクランブル交差点の中心に集結し、思い思いに声を上げて喜びを分かち合った。時間が経つにつれて、横断歩道の真ん中に集まるサポーターたちがますます増える一方、交差点付近でその様子を観察したり、スマートフォンで撮影したりするサポーターも目立った。
同日午後10時からキックオフとなった日本対ドイツ戦では、前半はドイツに1点のリードを許す展開に。街全体を暗いムードが覆ったものの、後半30分から2得点を奪取する劇的な大逆転を遂げた。試合終了の笛と同時に、渋谷各所のスポーツバーから熱狂的なサポーターたちが申し合わせしていたかのように、スクランブル交差点に向かって走り出した。
交差点で盛り上がる群衆の中に人生で初めて入ったという20代の学生はこう話した。
「やっぱりみんなと喜び合いたかったので、渋谷に来ました。(渋谷で大衆が盛り上がる様子を)テレビで見ていたので刺激的でした。ちょっとうるさいですけど、しょうがないと思います」
中にはこの瞬間を味わうために愛知県からはるばる応援に駆けつけた18歳の学生もおり、日本不利という前評判があっただけに喜びはひとしおだろう。
日本の金星で心と体も開放的になった男性も現われた。「いやあ、もうコロナ終わった感がすごいです。最高です、最高」と取材に応え、歩行者の信号が青になると同時に日本代表のユニフォームを脱ぎ捨てて交差点の中心へ走り去った。冷え込む夜だったが、半袖姿で腕を出している人も多かった。熱狂の中にあって「寒くない」ようだ。