絶叫型の解説者としてファンも多い松木安太郎氏(時事通信フォト)

絶叫型の解説者としてファンも多い松木安太郎氏(時事通信フォト)

かつて松木氏の専売特許だった「PK!PK!」の今

 次に、ペナルティエリア内で日本の選手が倒れた場合の「PK!」を取り上げてみよう。

■松木氏 0回

■本田氏 2回(PKアピール自体はこの場面の1回のみ)
後半24分 「PKやろ!(審判のFKの判定を見て)いや、PKちゃう!?」
→ 伊東純也がペナルティエリア前で倒される。

 かつての松木氏は何かと「PK!PK!」と叫んでいたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)導入後は雄叫びが激減している。

 伊東純也がペナルティエリア寸前で倒された後半24分、本田氏は「PKやろ!」と指摘したが、松木氏は「よーし、よしよし!」と歓喜だけに留まった。後半41分には南野拓実がエリア内で倒されたが、「あ~~お!おい!VAR?」と主審に判断を仰ごうとした。以前なら間違いなく「PK!PK!」と絶叫していた場面でも、松木氏はまずVARの確認を促すようになっている。

 ちなみに、このシーンで本田氏は「あっ……(アナ:どうだ!?ホイッスルはない!ホイッスルはありません!)でもいいよ、すごい良かった」と話した。

 本田氏はドイツ戦でもPKアピールを2回(後半4分、後半42分)している。スペイン戦ではなかったが、PKアピールの確率は1試合平均1.0回(成功0回)になる。これは多いのか、少ないのか。2019年のアジア杯7試合の松木氏のPKアピールを振り返ってみよう。

グループステージ ウズベキスタン戦
後半20分 乾貴士のコーナーキックからゴール前で混戦に
松木氏:PK!PK!PK!……あ、違う。
アナ:逆に槙野(智章)のファールを取られました。

後半7分 堂安律が相手エリア内で倒れる?
松木氏:PK?ない?
アナ:判定はありません。PKではありません!
松木氏:う~~~ん。
※その後、VARで判定覆ってPK

 1試合平均0.29回で、約3試合に1回のペースだった(「PK!」という絶叫を単独で数えれば4回)。今後、「PK!PK!」の専売特許は松木氏から本田氏に移行するかもしれない。

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