松木氏「おい!」vs本田氏「イエス!」

 この4部門で2人が絶叫した回数をまとめてみよう。

「ファール」松木氏:4回 本田氏:7回
「PK」松木氏:0回 本田氏:2回
「ハンド」松木氏:3回 本田氏:0回
「レッド」松木氏:0回 本田氏:3回
【絶叫合計】松木氏:7回 本田氏:12回

 意外にも本田氏は松木氏以上に叫んでいた。ただ、この集計には松木氏の独自絶叫「おい!」が含まれていない。本田氏は「おい!」と言っていないため、取り上げてこなかった。しかし、松木氏の「おい!」をカウントせずして、対決は終了できない。そこで、本田氏特有の「イエス!」を対象にしよう。お互いの“独自絶叫”比較である。

松木氏 「おい!」3回
後半23分 「おい!おい!」 
→ コスタリカが右サイドでチャンスを作り、ゴール前にクロス。

後半41分 「あ~~お!おい!VAR?」
→ 相手エリア内で南野拓実が倒れる。VARはなかった。
※前半22分の「おい」は小声のため、カウントしない。

本田氏 「イエス!」4回
前半0分 「勝負、勝負や。イエス!」
→ 相馬勇紀が左サイドで相手選手を1対1でかわす。

後半42分 「行こう。イエス!いけ。イエス!イエス!カモン!」
→ 三笘が右サイドを突破し、エリア内に侵入して大チャンスに。

 主に松木氏の「おい!」はピンチ、本田氏は「イエス!」はチャンスで叫ばれる。日本が攻勢、コスタリカが守勢の時間帯が長かったため、松木氏の「おい!」は少なかった。そんな事情があるとはいえ、この独自絶叫対決でも本田氏の「イエス!」が松木氏の「おい!」を上回った。

【5部門における絶叫合計】松木氏:10回 本田氏:16回

 コスタリカ戦の放送席で、本田氏は松木氏以上に叫んだ。わかりやすい戦術説明や交代案だけでなく、時に日本選手に感情移入している。論理と感情のバランスが絶妙だからこそ、視聴者の心を掴んでいるのだろう。

 準決勝まで進めば、テレビ朝日が日本戦を中継する可能性がある。史上初のベスト4で再び、松木安太郎氏vs本田圭佑氏の対決を見たい。

■文/岡野誠:ライター、松木安太郎研究家。NEWSポストセブン掲載の〈検証 松木安太郎氏「いいボールだ!」は本当にいいボールか?〉(2019年2月)が第26回『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では本人へのインタビューや関係者への取材、膨大な資料の緻密な読解で話題に。松木安太郎氏の解説を詳細に分析する書籍構想を持つが、約20年分もの映像収集が困難を極めている。

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